高江洲 薫 院長(たかえす動物愛護病院)のインタビュー

たかえす動物愛護病院 高江洲 薫 院長

たかえす動物愛護病院 高江洲 薫 院長 KAORU TAKAESU

大学卒業後、獣医師として経験を積むほか、動物の専門学校で教育に携わる。その後、「二子新地駅」そばに開業。

獣医を志したきっかけと経緯、こちらで開業された理由について教えてください。

育ちが沖縄ですので、自然や動物に囲まれて生活しているうちに、動物を癒すことを職業にしたいと思うようになりました。特に野生動物に関わりたかったので、当初は動物園の獣医を目指していましたが、残念ながらそのときは願いがかないませんでした。しかしながら団体職員の獣医師として働いた後、動物の専門学校で教育に携わるようになってからは、仕事でたびたびアフリカを訪れる機会に恵まれました。出張などの旅行で野生動物に触れることができるようになり、やっと念願がかなったのです。
その後動物病院を開業して自ら治療に当たりたいと思い、開業場所について知り合いに相談したところ、街に歴史があり、庶民的で人情深いこの地を紹介していただきました。最初は西洋獣医学に基づく治療を扱っていましたが、より動物にとって苦痛のない治療を目指し、診療項目を現在の「エネルギー治療」に変更しました。

ぜひ「エネルギー治療」について、詳しく聞かせてください。

わかりやすく申し上げますと、「気功」をベースにした治療です。この治療法は、基本的に動物が本来持つ「自己治癒力」を高めるためのものです。
わたしの治療法は、より動物にとって苦痛の少ない施術を目指すものでして、西洋獣医学を否定しているわけではありません。動物の治療に当たりながらふと気づいたのは、西洋獣医学以外に治療法の選択肢が少ないことなのです。わたしが望む動物医療とは、西洋/東洋の枠組みでの医療ではなく、さまざまな要素を融合して総合的に心のケアを施し、治癒力を高めるやりかたです。

先生は治療の中で、動物の声を聞く「アニマル・コミュニケーション」を実践していらっしゃいますね。

わたしは動物が言わんとしていることを、「翻訳者」として飼い主様にお伝えしています。この動物の意思を汲み取るという行為は、本来すべての獣医師がしなければならないことだと考えています。動物にも「意思」「こころ」があり、彼らは常に自分の気持ちを人間に伝えたいと考えています。しかし残念ながら、その「声」を聞いて理解するメソッドをほとんどの人は持っていません。
わたしが提唱する「アニマル・コミュニケーション」は、動物の行動学に基づいたセオリーにより成り立っており、希望される飼い主様、あるいは一般の方々にワークショップと講座でお教えしてご好評をいただいています。たとえば、ご主人様が獣医師として動物病院を開業され、そのサポートに当たる奥様がこちらに学びに来られていますが、学ぶことで動物の診療がよりスムースになったとおっしゃっています。動物には人間と同じような冗長なカウンセリングではできません。ですので、最低でも1年は学びにきていただきたいと思います。

診察で心がけていること、日々のリフレッシュ法について教えてください。

わたしは、「すべての生命は対等かつ等価である」と考えています。ですので、人間と動物の間にヒエラルキーは存在せず、常に同じ立場で接することが大切です。病気の動物には治療内容について説明し、選択肢を提示し、彼らからの「答え」を聞きます。多くの動物は健気で、飼い主様が望む治療方法を受け入れるといいます。そして自らの意思で免疫力を上げようと努力します。食欲のなかった犬が治療を終えて帰宅し、ご飯を食べるようになりました。これは、「治りたい」という意思の表れです。
もうひとつは、一緒に暮らした動物に感謝することをお教えしています。多くの場合、ペットが死んでしまったとき飼い主様にはさまざまな「後悔」が残り、その後の人生で長期にわたって引きずってしまうケースも少なくありません。しかしながら、彼らは飼い主様のご尽力にとても感謝しています。ですので、飼い主様にはともに生きた動物に感謝していただき、悲しみを後まで引きずらないよう、お願いしています。わたしはこれまで30年以上にわたって動物を診ていますが、幸い「ペット・ロス」に苦しまれる飼い主様はいらっしゃいません。動物を亡くしてからの「心のケア」も重視しているからです。

わたしが一番リフレッシュできるのは趣味の登山で、休みの日は北アルプスに出かけていくことが多いです。人間が活動するには常に「エネルギー」を高めることが必要です。素晴らしい場所に出向いて心身ともに解放され、その場所に心の底から感謝すると、そこにはよい「エネルギー」が残ります。よく「パワー・スポット」に出かけられる方がいらっしゃいますが、ただ他者に対して要求するだけでは何も生まれません。自分自身がよい「エネルギー」を発することが、とても大切であると考えています。

最後に地域のみなさまにメッセージをお願いします。

ペットを心から大切にしてください。1匹1匹の動物は飼い主様に対してとても深い愛情を持っています。それを知ったら、動物の遺棄など到底考えられないはずなのです。ともに暮らす動物を信じて、愛してあげてください。
※上記記事は2013.10に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。

たかえす動物愛護病院 高江洲 薫 院長

たかえす動物愛護病院高江洲 薫 院長 KAORU TAKAESU

たかえす動物愛護病院 高江洲 薫 院長 KAORU TAKAESU

  • 出身地: 生まれは福島ですが、育ちは沖縄です
  • 趣味・特技: 登山
  • 好きな本・愛読書: 本は読まない主義です
  • 好きな映画: ネイチャードキュメンタリー
  • 好きな言葉・座右の銘: すべての生命は神聖な存在である
  • 好きな音楽・アーティスト: サンタナ、セルジオ・メンデス、ボサノバなど
  • 好きな場所・観光地: アフリカ、インド、北アルプス

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