青葉ひろクリニック 澤井 博典 院長 HIRONORI SAWAI
東京慈恵会医科大学を卒業後、整形外科をはじめ幅広い症状に携わり、スキルを磨く。2014年、「あざみ野駅」そばに開業。
東京慈恵会医科大学を卒業後、整形外科をはじめ幅広い症状に携わり、スキルを磨く。2014年、「あざみ野駅」そばに開業。
20年前、父(現:青葉さわい病院の理事長)は、たまプラーザで『整形外科さわい病院』を開院しました。それが私が小学校6年生の頃のことです。当時は病院で暮らしていたものですから、医師になるべくして育ったというところでしょうか。ちょうど、室伏さんの息子さんがハンマー投げをするのと同じようなものかもしれませんね(笑)。ただ、そのまますんなりと進んだというわけでもなく、一度は、父の敷いたレールを走ることを拒否していた時期もありました。昔から人と話すことが好きで、営業をやりたいと思っていたこともあったんです。最終的にこの道を選んだことには、父の背中を見て育ち、人に感謝されるこの仕事のありがたさ、というものを感じていたからかもしれません。でも、いまだに父は「俺はお前に医者になれと言った覚えはない」って言ってますけどね(苦笑)。
私の兄(現:青葉さわい病院 院長)は整形外科医ですが、私は内科を専門としました。実は私ももともと整形外科志望だったんです。研修先だった厚木病院では、全ての科を廻らせていただきましたが、あくまでも整形が中心にありました。加えて、当時の厚木病院の研修医は全ての科の救急患者さんを担当することになっていました。私が診させていただいたのは2年間でおよそ4,000人くらいだったでしょうか。そこで得た経験は今に続く貴重な財産となっています。2年間の研修を終えた後、父から、「3人も整形はいらないか…」と宣告されたんです。これも父に聞くと、また、「そんなことは言ってない」と言うんでしょうけど(笑)。ただし、私は私で整形外科を志望する一方で内科にも興味を持っていて、特に内視鏡に強く惹かれていたところがあります。以来、消化器内科の医師として、可能な限り、内視鏡を中心に診ていくこととなりました。
その後、以前の『整形外科さわい病院』で2年、そこで内科を立ち上げることに携わり、現在の『青葉さわい病院』に移って8年半が経ち、今年(2014年)の3月に『青葉ひろクリニック』を開院する運びとなりました。
イギリスを始めとした先進国では、在宅での看取りが5割近くに及んでいます。それに対して日本は約1割といったところですが、増え続ける社会保障の予算の問題もあり、今後は、外来に来れなくなった方々を在宅で診ていくことが主流になっていくものと思われます。2012年の診療報酬改定により、3人以上の医師が連携して在宅診療にあたっていく体制を「機能強化型」とし、国も支援に乗り出してくこととなりました。在宅診療は24時間365日、患者さんを診ていく覚悟が必要で、そうなりますと、従来のように1人だけで診ていくことには無理が生じてきます。多くの医師がお互いに協力し合うことで、より細かい対応が可能になっていきます。また、その連携をくむことのハードルは高いです。
当院は、『西川内科・胃腸科』の西川真人先生、『メディカルクリニックあざみ野』の張彦彬先生方と協力し、ここ青葉区の在宅診療の一助となるべく活動を続けています。
来院される方はなにかしら困っていらっしゃるわけであり、全てではなくとも、その悩みを少しでも解消して帰っていただくことが専門の仕事だと考えています。もちろん疾患によっては私の専門ではないものもありますが、そうであっても専門の人に診てもらえるように紹介することも悩みを解消する1つの方法です。「来て良かった…」と皆さんに思っていただけるように、私に出来ることをしてまいりたいと考えています。私は『青葉さわい病院』で、これまで多くの方を看取らせてもらいました。その意味において、「最期まで診れる」というのは、私たち医師にとって非常にありがたいことでもあるんです。手術をされた方があの後どうなったか?最近お顔を見なくなったけど、あの人はどうされてるのか?医師にとって非常に気がかりなことです。在宅診療ですと、その後の経過を見させてもらえます。もちろん患者さんにとっても安心な部分だと思いますが、とことんお付き合いが出来るというのは、私たち医師にとっても非常に大事なことだと思っています。
現在青葉区では、医師のみならず、ケアマネージャー訪問介護や訪問看護、薬剤師、訪問リハビリといった多職種間で連携し、在宅の患者さんを診ていく体制を強化しようとしています。その際、情報をちくいちクラウドにアップして共有し、迅速な対応がとれるような試みもおこなっています。例えば、看護師が床ずれを発見したら、それを写真でクラウド上にアップし、医師が対応を指示するといった具合です。近年になり、大学病院における患者さんの平均在院日数はどんどん短くなっています。こうなりますと、たとえ病状が好転しても、食べれない状態のまま退院を余儀なくされるケースが増えていきます。そうした方を、例えば地域の、『青葉さわい病院』等にフォローしていただき、家へと戻っていただく。、その患者様を今度は私たちが在宅で診ていく。病診連携、診診連携はもとより多職性での密な連携が、今後の医療を支えていくと考えています。
皆さんに介護保険制度を始めとした社会資源にどのようなものがあるかを知っていただければと思います。これは例えばスウェーデンなどの社会福祉の先進国になると、学校教育を通してみんなが知っていることなんです。おじいちゃん、おばあちゃんをどうやって支えていくか、ということをですね。例えば、御両親などが倒れたりしたときに初めて介護保険の事を知る方が多いです。結果、いざという時の対応が後手後手になってしまうケースが多く見られます。家族や自分の将来のことを考え、介護保険の申請など、今出来ることをおやりになっておくべきだと考えます。そのためにも、何かあった時に相談出来るホームドクターを作っていただきたいですね。
※上記記事は2014.3に取材したものです。
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