橋詰 清江 院長(漢方内科スペースシン)のインタビュー

漢方内科スペースシン 橋詰 清江 院長

漢方内科スペースシン 橋詰 清江 院長 KIYOIE HASHIZUME

聖マリアンナ医科大学を卒業後、中医学に興味をもって遼寧中医大学附属日本中医薬学院で学ぶ。漢方内科医として経験を重ね、「あざみ野駅」そばに開業。

辛い症状に苦しむ患者さんを助けたい、そんな気持ちで中医学を学ぶ

私には2歳下の弟がいたのですが、残念ながら子供のころに事故で亡くなってしまったんですね。人の生死に直面したのはこのときが最初で、私が医師になる最初のきっかけになったと言えるかもしれません。その後、中学、高校と進んで、本格的に医学部進学をめざそうと考えたのは、たしか高校2年生のときだったと思います。聖マリアンナ医科大学を卒業した後は、大学病院に残って消化器内科を中心に経験を重ねました。その後、出向という形で鎌倉にある聖テレジア病院で診療するようになったのですが、このときの体験がきっかけで、中医学を勉強したいと考えるようになったんです。西洋医学では診断がつかない症状を解明して、少しでも患者さんのお力になれたら。そんな想いから、改めて遼寧中医大学附属日本中医薬学院に学びました。

異常がなくても正常ではない、体の不調に中医学でアプローチ

私が勤務医をしていたころ、ある患者さんが体調不良でお悩みになっていました。たしかに胃腸の調子は思わしくなかったものの、血液検査をしても、内視鏡や超音波検査をしても、これといった異常は見つからなかったんですね。ところが、診察をして「異常ありませんよ」とお伝えしても、患者さんの顔は曇ったまま。それどころか、ご自分の症状に病名がつかないことで、かえって不安なお気持ちになられたようなのです。このとき私は、異常がないからといって、必ずしも正常であるとは限らないのだと痛感しました。西洋医学的な診断がつかないケースは、年齢のせいであったり、ストレスのせいだと考えられることが多くあります。でも、中医学を学んだ今の私ならば、なぜ症状が出ているのか、なぜ検査結果に異常がみられないのか、ご説明することができます。私は、中医学を学ぶために3年間を費やし、その後は各地のクリニックで漢方外来を担当してきました。また、開業まで在籍していた千葉県の名戸ヶ谷あびこ病院では鍼灸師とコラボレーションをして、西洋医学と中医学を融合させた「漢方内科」の創設に携わった経緯もあります。そして、新たに開院した『漢方内科スペースシン』でも、漢方内科に鍼治療をプラスした「総合医療」をご提供していきたいと思います。

西洋医学と中医学を融合した「漢方内科」とは

人間の体を360度、全方位的にみるとしますよね。このとき、まっすぐ正面からみるのが西洋医学で、すこし違った角度からみるのが中医学だと言えるかもしれません。中医学のベースとなる考え方は、いかに自然と人間とのバランスをとるか、ということ。体の悪いところをピンポイントで治療する西洋医学に対して、中医学では全体のバランスを整えて、もしも歪みがあればそれを正していくのです。前職の漢方内科には、アトピー性皮膚炎や喘息にお悩みのお子さんが体質改善にいらしたり、アレルギー症状に苦しむ患者さんもたくさんいらっしゃいました。また、思春期のお悩みや発達障害のあるお子さん、不登校のお子さんや保護者の方々を診療することも度々でした。今は、様々な情報があふれていますけれど、ぜひ一度専門機関を受診していただきたいと思います。当院では、中医学、西洋医学の両方からアプローチすることができますので、どうぞお気軽にご相談ください。

病気の全体像を見極め、お1人お1人にあわせた治療をおこなう

たとえば、不眠の症状を訴える患者さんが10人いらっしゃるとして、どなたにも同じお薬を処方すれば良いというものではありません。もちろん、睡眠薬を必要とする方もいらっしゃるかもしれませんが、不眠の症状があらわれている原因はさまざまですから、正しく原因を特定して、それを調整するお薬が必要になるのです。みなさん、風邪のひき初めには「葛根湯」だとお考えになると思いますが、風邪には最低9通りの治療法があって、体力の有無、生活スタイルや職場環境などによって、処方するお薬が変わって来るものなんですよ。それでは、その方にあった治療法を見つけるにはどうしたら良いか。中医学では、患者さんの訴えを丁寧にヒアリングする問診をはじめ、脈を診たり、舌を診たり、実際に患者さんの皮膚に触れることによって、病気の全体像(証)を導き出します。実際に私も、患者さんが診察室にお入りになるときから、皮膚の色や所作など、さまざまなサインを見逃さないようにしています。こうして、お1人お1人にあわせた治療をご提案できるのが中医学であり、0歳の赤ちゃんからご高齢の患者さんまで、幅広く診療できることが特長です。

これから受診される患者さんへ

『漢方内科スペースシン』は、「あざみ野駅」から歩いて12分ほどの場所にあります。当院では漢方内科を中心に、鍼治療にも対応しています。鍼治療は、1回60分までの自費診療となりますが、辛い肩こりや腰痛、関節痛を解消したり、脳梗塞後遺症による身体のこわばりを和らげる効果など、身体を整えて病を元に戻す治療法です。古くから行われ、未病を防ぐ、体質改善、疲れを取る、健康増進の効果も期待できます。一方で、漢方内科の診療は保険が適用となりますので患者さんへの負担が少なく、長く通っていただけるのではないでしょうか。当院ではスペースを大切にしておりますので、是非、体感しに来てください。
病気になると、大きなピンチに見舞われたような気になってしまうかもしれません。でも、ご自分の生活習慣を見直したり、病気にかかりにくい体づくりをするチャンスだと考えてほしいと思います。私は、患者さんに訪れたピンチをチャンスに変えられるように、お手伝いをさせていただきたいと思います。ご自分の体に何らかの不安を感じたときは、どうぞお気軽にご相談ください。

※上記記事は2018年2月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

漢方内科スペースシン 橋詰 清江 院長

漢方内科スペースシン橋詰 清江 院長 KIYOIE HASHIZUME

漢方内科スペースシン 橋詰 清江 院長 KIYOIE HASHIZUME

  • 出身地: 神奈川県
  • 趣味&特技: 温泉めぐり、ドライブ
  • 好きな本: 斎藤一人さんの本などおもしろいなと思ってよく読みます。
  • 好きな映画: 邦画(印象に残っている映画はフラッシュダンス、ジャンヌ・ダルク)
  • 好きな音楽やアーティスト: ドライブの時にかけるのは、Every Little Thingやブラックビスケッツなど。
  • 好きな言葉 座右の銘: 継続は力なり
  • 好きな場所: 鎌倉、江ノ島

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