この道に至るきっかけと、これまでの経緯をお聞かせください。
小学生から、それこそ社会人になってからも選手としてそろばんの全国大会に出続けてきました。その意味で、自分自身の技能向上ということには変わらぬ興味を抱いていたんですが、「教える」ということになると、つい最近まで興味を持てなかったんです。それが徐々に変わりだしたのが2007年から8年のこと。知り合いの先生に誘っていただき、週末だけ指導に関わる機会をいただきました。1年、2年、3年。時間が経つにつれてどんどんと生徒も上達していき、私自身の思い入れも大きくなっていきました。彼らの成長する姿を目の当たりにしたことで、指導に携わることの良さを実感しだした、というところですね。2011年に『青葉計算アカデミー』を開くに至りました。実はこの隣の駅に私の弟が住んでいまして、甥っ子から「僕が行っても良いよ。友達も連れて行ってあげる」と声を掛けてもらい(苦笑)、それを頼りに始めたという次第です。
『青葉計算アカデミー』の指導の特徴をご説明ください。
最初は1足す1から。親指で珠(たま)をはじくところから始めていき、徐々にそろばんのルールと操作を覚えていきます。他の教室さんと比べたわけではありませんが、当塾では暗算を重視しています。テレビで時たま見かけるフラッシュ暗算というものがありますよね。画面にパッパッパと数字が出てくるあれです。実は、あれはみんなそろばん式暗算なんです。まずはそろばんを使って解くことからスタートし、今度はその動きをそろばん無しでイメージの中で出来るように持っていきます。まったく暗算というのはそろばんと一緒で、基本をしっかりマスターすることで相乗効果を得ることが出来るのです。そろばんは正しく習わないことには、なかなか上達はしていきません。座右の銘でふれたように、「正しい努力は花開く」という考えのもと、子ども達に指導をおこなっています。
そろばんを習うことのメリットを教えてください。
そろばんは、練習の結果がすぐに結果に表れてくるものです。昨日8題だったのが今日は9題出来た。100点だったのが120点になった。練習したことが腹に落ちるかのように身に付いていることが実感としてわかりやすい習い事だと言えます。努力して出来る。それは教育的な側面でも大きいのではないでしょうか。それから、塾では特に算数的なものに特化しているわけではありませんが、1つ言えることは計算で人と比べて劣ることはまずないということでしょう。計算力という部分において、絶対の自信は付いてくると思われます。誰にも負けないものを持っている。そのことは、子ども達が成長していく過程に置いて決してマイナスにはならないでしょうね。
塾では小学生を対象とされてるのですか?
対象は特に絞ってはいません。無論、小学生が大方になりますが、1人で取り組める子であれば幼稚園児でも構いませんし、高校生も通ってきています。それから大人の方。「娘さんと一緒にやってみたい」と、昔習っていた記憶を思い起こすように楽しんでらっしゃるようです。日々ハッパをかけたり怒ったりですが、生徒の上達を促していくという要素は会社員時代には得られなかった体験です。散々苦労してきた子に、「よく出来た」と声を掛ける瞬間が1番私にとっては嬉しい時ですね。
最後に地域の皆様にメッセージをお願いします。
そろばんを習うと計算が出来ます。暗算が出来ます。それから右脳の発達を促す……言葉にすれば色々とあります。しかし、そろばんを習うことの本質的なメリットはそうした表面的なところにはないと私は思っています。そろばんは、同じことを何回も繰り返しおこない、指が自然と動くまでにならないと本物にはなりません。一から順番に努力を積み重ねていく。その経験こそ、これから長い人生を歩むお子さんにとって最も重要な要素だと考えています。そろばん学習は最近になって見直されてきていますが、ちゃんと習った時の威力をもっと知っていただきたい。実用的な側面があるからこそですが、成長の糧となるであろう部分も含め、そろばんの魅力をもっと多くの人に知っていただきたいですね。
※上記記事は2014.7に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。
青葉計算アカデミー 大関 一誠 主宰 KAZUNARI OOZEKI
- 好きな本・愛読書: 数学書、算数のパズル
- 好きな映画: E.T.
- 好きな言葉・座右の銘: 正しい努力は花開く
- 好きな音楽・アーティスト: 斉藤由貴
- 好きな場所・観光地: 京都
- 生年月日: 1972年1月1日
- 出身地: 北海道
- 血液型: O型
- 趣味・特技: そろばん