横浜漢方サント薬局 山浦 卓 代表取締役 TAKU YAMAURA
新潟薬科大学薬学部衛生薬学科卒業。新潟市内にある調剤薬局で修養に努めたのち、『横浜漢方サント薬局』で薬剤師としての道を歩みはじめる。2000年10月より昭和大学医学部第一薬理学教室・特別研究生としてさまざまな研究に従事。2007年に博士号(医学)を取得(現:昭和大学医学部第一薬理学教室・普通研究生)。(東急田園都市線/横浜市営地下鉄「あざみ野駅」より徒歩2分)
新潟薬科大学薬学部衛生薬学科卒業。新潟市内にある調剤薬局で修養に努めたのち、『横浜漢方サント薬局』で薬剤師としての道を歩みはじめる。2000年10月より昭和大学医学部第一薬理学教室・特別研究生としてさまざまな研究に従事。2007年に博士号(医学)を取得(現:昭和大学医学部第一薬理学教室・普通研究生)。(東急田園都市線/横浜市営地下鉄「あざみ野駅」より徒歩2分)
『横浜漢方サント薬局』は昭和44年(1969年)に先代である私の父が開設いたしました。一人っ子だった私は、いずれ親の後を継ぐべく薬学部の門を叩いたのです。大学卒業後は新潟市内の調剤薬局に就職をしました。そちらでは在宅訪問薬剤管理指導という事業をおこなっていました。ご高齢の方や何らかの事情があって薬局に行けない方のお家へ訪問し、お薬を届け、その説明をすることが役割でした。様々な事情や背景を抱えた方とお話しをすることで、人との接し方の幅というものを得られたと感じています。
その後、父の元へ薬剤師として帰ってきたのが1999年のこと。それから程なくして昭和大学医学部第一薬理学教室の特別研究生となりました。話が変わるようですが、父はかなり早い段階で食養生によって健康づくりを進めていきたいという考えを持つようになっていました。そこでまず目に止まったのがラッキョウです。大学時代の恩師から勧められたことが契機となり、漢方薬の原料として扱われることから興味を持ち、研究を重ねるようになっていったんですね。そんなおり、ある健康雑誌の編集者の仲立ちにより、黒酢を研究していた昭和大学の中山貞男先生と出会うことになりました。2人はたちまち意気投合し、先生の推薦で父は特別研究生として昭和大学に出入りするようになったのです。ただ、時期が時期でした。「週に1回でもいいから」と大学の方は言ってくれたものの、薬局の仕事が忙しすぎて、週に1回ですら通うことが難しくなっていたのです。そこで登場したのが私です。「迷惑でなければ、私の代わりに息子を行かせてほしい」と父が頼んだところ、先生方は快く承諾してくださったんですね。私にとっては、ただただありがたいお話でした。
それまでも仕事上でお医者さんと話をする機会はありました。ただ、プライベートで、仲間として触れ合うという経験はまた違ったものがありましたね。素の考えと言いましょうか、彼らの患者さんに対する考え方や医療への向き合い方などに触れられたことは、大きな学びとなりました。医学的な知識はもちろんのこと、彼らから学んだものもお客様にフィードバックできているように思います。
『横浜漢方サント薬局』はカウンセリング専門の薬局です。病院に赴き、お医者さんにかかって処方箋が出され、それをもとにお薬を出す。これが一般的な現在の薬局のあり方ですよね。しかし、昔はそれだけではなかったのです。昭和の時代は、少し風邪っぽい程度でしたらお医者さんには行かず、まず薬局に行くのが常だったんですね。そこでお薬を購入・服用し、回復するのを待つというのが一般的だったのです。当店はそうした昔ながらの薬屋さんからスタートした薬局です。お医者さんにかかるほどではないけども、自分ではどうにもできないものに対して手助けをするのが、私がイメージする薬局なのです。
一般的なお薬はもちろん、漢方薬も扱っていますし、さらにそこから進み、“薬ではないのに薬のような働き”があるもの、先ほどのラッキョウだったり、黒酢といった、科学的な裏付けが得られている食材などを提供しています。
お客様は「漢方薬を飲んでみたい」という方が半数。逆に「なるべくお薬を使わず、今の体の不調を改善したい」という方に分かれます。漢方薬といえど、お薬であるからには副作用がないとは言い切れません。「薬食同源」「医食同源」という言葉がありますけども、お薬ではなく食で健康を保っていきたいというニーズが増えてきているように感じます。
「治療」という言葉は、本来はお医者さんが使うものであり、薬屋が使うものではないと思うんですね。お医者さんのように、患者さんを診察して処方していくわけではないですから。その線引きは難しいのですけども、ここでは、患者さんに「ああしなさい」「こうしなさい」と押し付けるようなことはありません。お客様から悩みをお聞きし、それに対して有効と考えられるものを経験的に、エビデンスに則って提案していく。お客様と一緒により良い方向に導いていければと考えています。
『横浜漢方サント薬局』ではダイエットメニューである「サンサンシステム」を提供しています。元々は慶應義塾大学でおこなわれていた肥満治療のプログラムで、これまで延べ8,000人以上の方が試され、成功しています。私の父は「サンサンシステム」の普及のため、全国を回っていたことがあります。一時期は全国で少なくない数の薬局さんがこのシステムを取り入れていたようなのですが、結果、今では当店のみが扱っているという状況です。その理由として、このシステムは薬局側にとって非常に手間がかかるという面が挙げられます。1度お薬を出せば終わり、というものではなく、毎日、電話やメールなどでお客様と相談し、アフターフォローをしていかないと思ったような成果は望めないのです。確かに大変ですけども、それだけやりがいがあるということでもあります。お客様の喜びを糧として、今後も続けていきたいですね。
父が最初に店舗を設けたのは、田園都市線の田奈駅のそばでした。オイルショックと時期が重なり、大変苦労したそうです。その影響もあって、ただお客様を待つのではなく、必要な人に必要な商品を届ける発送業務の充実を図ってきたんですね。新型コロナウイルスの影響は未だ先が見通せない状況ですが、これまで私たちが取り組んできたことが試されているとも言えるでしょう。発送業務のさらなる充実は必要なことですが、かといって店舗がおざなりになってはいけないとも考えています。場所があるから会ってお話ができるわけで、信頼はそこから始まっていきます。お体のことで何かお困りのことがありましたら、まずはご相談ください。木に囲まれた温もりのある空間で皆様をお待ちしております。
※上記記事は2021年8月に取材したものです。
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