It's体操スクール 中山 朋彦 代表取締役 TOMOHIKO NAKAYAMA
神奈川県出身。複数のスポーツクラブで経験を積んだ後、1999年に自身の地元でもある横浜市青葉区に「It‘s体操スクール」をオープン。(東急田園都市線 青葉台駅より徒歩10分)
神奈川県出身。複数のスポーツクラブで経験を積んだ後、1999年に自身の地元でもある横浜市青葉区に「It‘s体操スクール」をオープン。(東急田園都市線 青葉台駅より徒歩10分)
私が体操を始めたのは、小学2年生の時で、今の姿からは想像がつかないかもしれませんが、身体が弱く持病の喘息を抱えていました。母の勧めもあり身体を鍛えるために体操を始めました。それからずっと体操を続け、高校も体操の推薦で入学しました。高校生になる頃には、筋肉もついて喘息の症状もなくなり、心身共に強くなっていました。
指導者としてキャリアをスタートしたのは、18歳の時です。アルバイトから始めて、複数のスポーツクラブで経験を積みました。体操業界から一時的に離れたこともありましたが、再び体操の指導に携わる決意をして、1999年に地元でもある横浜市青葉区に体操スクールをオープンしました。実は、オープン当初に集まった生徒は1名。すぐ近所の子が近いからという理由で来てくれたのですが、そこから口コミで評判が広まり、コロナ禍の中2021年には過去最高の会員数を更新しました。
体操の魅力は、トレーニングや基本練習によって、自身の可能性がどんどん広がっていくところだと思っています。できなかったことができるようになっていく楽しさを子どもたちに感じてほしいと思い、指導しています。
It‘s体操スクールでは、子どもたちの運動能力を向上させることを目標にしています。最近は、遊び場がなかったり、新型コロナウイルスの影響もあって外で活動する機会が減っていたりしますよね。このように運動しにくい状況でも、なんとか子供たちの運動能力を向上させることで地域に貢献したいという思いで、指導に取り組んでいます。
指導方法は、少し特殊かもしれません。単純に、トレーニングの方法や体操の技を教えるわけではないからです。指導では「心・技・身体」を鍛えることを大切にしています。この「心」とは考える力です。すぐあきらめてしまう子や、言われたことしかできない子になって欲しくないので自分の頭で考えて動く力を身につける練習を行います。例えば、先生に教わる前に、まずは友達の上手なところや下手なところを見て、自分に置き換えて考えてみて欲しいと伝えています。そこで必ず気づきがあるからです。「こうやればうまくできるかな?」「お友達はこんなにも張っている」と自分で考える機会を与えるようにしています。
そうして考える力がついて、次にどうすればいいか分かっていても、すぐに体が動かないことがあります。そこで、次に考えたことを実践できるように、神経系を鍛えるトレーニングを行います。手をグーパーに動かしたり、ケンケンパーの様に手と足を同時に動かしたり、さまざまなコオーディネーショントレーニングを行います。そして身体が思うように動けると、次に筋力トレーニングやストレッチによって、筋力をつけたり、身体の可動域を広げたりします。こうして「心」と「体」が備わります。そして最後に「技」を修得していくわけです。
私は、生徒の指導にあたって注意することをしっかりと決めています。できないのはコーチの責任ですから、失敗やできなかったことを叱ることはありません。たとえ失敗したとしても、チャレンジしたこと自体を評価します。ですが、やる前からあきらめたり、嫌がったり、手を抜いて練習する場合はしっかりと叱ります。このような指導方針もあってか、身体だけではなく心も強く鍛えられる生徒が多いように感じます。
生徒に“やる気”や“目標”を作り前向きに通い続けられるよう、さまざまな企画をしています。例えば、休まず続けることの大切さを教えるために皆勤賞を用意していて、6か月や12か月というように、休まずに通い続けた期間によって様々な商品をプレゼントしています。クラブオリジナルグッズのほかに、盾やカップ、トロフィーも用意しています。皆勤賞を目指して通ってくれている生徒も多いですね。ほかにも、からだ作りの“目標”としてクラブ独自の測定方法で、体力測定を年2回行い測定種目や総合ランキングを発表しています。上位に入るために練習を頑張る子もいます。腕立て伏せを例にとると、300回以上できる子が会員全体の30%、100回以上できる子が会員全体の55%います。
このような工夫もあってか、当スクールには、長く通う生徒も少なくありません。幼稚園から8年程通っている子も結構います。長く通い続けている生徒たちは、身体も心も強くなったなと感じることが多いです。小学校高学年にもなると、私が言い負かされてしまうこともありますよ(笑)
小学校高学年や中学生の生徒が、幼稚園や低学年の子どもたちの面倒を見てくれることも多いです。みんなでスキースクールやキャンプなどの合宿に行くこともあるので、子どもたち同士、たての繋がりができやすいのかもしれません。毎年、高校生や大学生になった卒業生が合宿を手伝ってくれます。頼りになる先輩の存在は、生徒にとってもすごく心強いと思います。
新型コロナウイルスの影響で、当スクールもお休みをいただいていた期間がありました。それでも生徒がほぼ減らなかったのです。一時的に退会された方もいましたが、また戻ってきてくれました。現在は、コロナ対策をしっかりとして、安心、安全に体操に取り組める環境を整えています。
何らかの理由で辞めた生徒が、また戻ってくることも多いです。例えば、一度退会したものの、辞めたら体力が落ちてしまったので、また戻りたいと希望されたケースもありました。このように再入会していただく場合には、入会金を免除するなど柔軟な対応をしています。
これからも、体操指導を通して地域の子どもたちの「心・技・身体」を鍛えることで、地元に恩返ししていきたいと思っています。そのために、今後は指導者の育成にも取り組んでいきたいですね。指導者に求めるのは、スキルはもちろんですが「正直に嘘をつかない人柄」です。体操指導は職人技に近いです。寿司職人や大工さんのように仕事が身につくまでにはたくさんの時間がかかりますが丁寧に育てて、当スクールの後継者としてこれまでの経験やノウハウを伝えていければと思っています。
私にとって生徒たちは自分の子どものような存在です。生徒の中には、将来体操の選手やスポーツ選手を志す子もいますし、地元の学校や幼稚園の先生を目指す子もいます。体操スクールとして、一人一人の子どもの夢や目標が叶うよう、お手伝いできればと願っています。
※上記記事は2021年11月に取材したものです。
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