三浦 ユーク 統括マネージャー＆棟近 直子 店長（スープスタンド sopa i vida（ソパ イ ヴィダ）)のインタビュー

スペインの代表的なスープ「ANETO」

【三浦 ユーク 統括マネージャー】
グランジャポンはスペイン食材を中心に輸入販売、卸しの業務を行っている会社ですが、そのなかでも10年以上輸入を続けているのがこの「ANETO（アネト）」というスープ。天然の新鮮な素材と食品添加物を一切使わないグルテンフリーのスープ出汁というのが特徴のスペインの代表的なスープブランドです。スペインで美味しいパエリアを家で炊こうという日は、このアネトのパエリア出汁を使うんですね。それくらい有名なスープブランドなんですけど、日本では知る人ぞ知るという存在で、もっと多くの人に知っていただきたいなと思っていたこと。また、運送中にパッケージが少し潰れてしまうなど、ちょっとしたダメージがあっただけで売れなくなってしまうという問題もあり、それを消費する場所が欲しいという思いも持っていましたので、このアネトを使ったスープを出す路面店を作ろうと。22年11月に弊社の新業態として「sopa i vida」をオープンすることになりました。

【棟近 直子 店長】
私はこのアネトを輸入するというタイミングで、グランジャポンに入社しました。料理好きだったことから、アネトパエリアをデモストレーションという形で試食を提供するイベントに参加したのが始まりでした。スペインのシェフと一緒だったんですけど、当時スペイン語が全然分からなかったので、こんなことを言っているのかなと身振り手振りを理解するのが必死でした（笑）。料理なので、なんとなく言っている意味は分かるなという感じでしたね。ほかにも、アネトや他のスペイン商品を使ったレシピを考案するなど、さまざまな業務に携わった経験を活かし、今回「sopa i vida」のオープンにあたり店長を務めることになりました。

こだわりのつまったスープレシピを

【三浦 ユーク 統括マネージャー】
ベースに使っているアネトのスープは3種類。それぞれ生ハム、お魚、野菜がベースになっています。当店ではそれに旬の横浜野菜や国産の材料を加えてアレンジ。今はグランドメニューが3つ、うち1種類が季節限定といった形でスープを提供しています。アネト自体のコンセプトが「家庭の味を作る」というもので、おばあちゃんやおじいちゃんたちが作ってきた味を守りたい、と素材の味を大切にした製造方法を採用しています。食材と塩とオリーブオイルのみで作られているアネトのスープ。その出汁を楽しんでいただきたいと思っていますので、当店でも調味料は食材のうまみを感じるギリギリのライン。お子さんにも安心して飲んでいただけます。おかげ様で家庭ではなかなかできない味だとご好評をいただいています。

【棟近 直子 店長】
グランドメニューは、どれもこだわりが詰まっています。オープンしてまだ間もないですが、毎回来てくださる度に同じメニューを頼む方もいらっしゃいます、悩まれる方も多いので、その日の気分によって「今日はこれがおすすめですよ」とご案内させていただくこともありますね。個人的に一番好きなのは「完熟トマトとスペイン産生ハムのカルダモン薫るスープ」。あざみ野で農家をやられている方と私がたまたま仲良くさせていただいていたのがご縁になり、地元あざみ野で獲れたトマトやその他の野菜を使わせていただくことになりました。

地元で獲れた野菜を使ったスープも

【三浦 ユーク 統括マネージャー】
「完熟トマトとスペイン産生ハムのカルダモン薫るスープ」は、オープンにあたり看板になるメニューを、と考案したものです。スペインはトマト料理も多いので、生ハムとトマトのスープにしようと決めたものの、これで良いのだろうかと悩んでいたところ、あざみ野の農家さんとご縁があり「これだ！」と。オープン前、ちょうど夏場だったので畑にトマトがたくさんなっていて、それもヒントになりました。地域密着のお店を目指していたので、そのコンセプトにも合っているなと。アネトの出会いも、食材の出会いも、さまざまなストーリーがたくさんあります。

【棟近 直子 店長】
スープだけでなく、弊社が輸入しているはちみつティーなども販売しています。パッケージもすごくかわいいものが多いので、スープと一緒にチェックしていただけたらうれしいです。ご近所の「アサノベーカリー」さんのパンも曜日限定ですが仕入れさせていただいています。「アサノベーカリー」さんのファンの方が当店にいらっしゃることもありますし、地域密着のお店として周りの皆さんと一緒にあざみ野を盛り上げていければいいなとも思っています。

止まり木のような心地いいスポットに

【三浦 ユーク 統括マネージャー】
笑顔でお客様をお出迎えすることはもちろんですが、当店のコンセプトはお客様のサードプレイス。ちょっとした止まり木になりたいと思っています。職場や家庭の間を繋ぐ場所、ということはもちろんですが、お散歩のときの休憩やちょっと疲れたなと思ったとき、自宅に帰る前に当店でホッと一息つく。そんな場所で在りたいなと。人生の上り坂も、下り坂も、ちょっと気持ちが落ち込んだときも、ハッピーなときも当店のスープが活力になれたら。人生を振り返ってみたり、ちょっと頑張ろうと思ってみたり。そんな味を目指しています。
また、パッケージが潰れてしまうだけで卸せなくなってしまった商品のロスを考えて始まったスープ屋さんですので、フードロス削減も目指しています。調理する際にどうしても出てしまう野菜の皮や種といったゴミになるものは、野菜を仕入れさせて頂いている農家さんの堆肥の原料にしています。スープを作る量も廃棄しないようギリギリのところを目安にして作っています。テイクアウトもスープジャーやタッパーをお持ちいただけたら20円引きに。小さなことですが、そういったことも当店から発信していきたいです。

【棟近 直子 店長】
まずは笑顔でお出迎えし、お客様がどういう気分でいらっしゃったのかなということを考えながら、それぞれのお気持ちに寄り添えるように心がけています。地元、ご近所の方が多いですが、Instagramを見て遠くから来てくださる方もいらっしゃいますね。「やっと来られたんですよ」と言われることもあり、うれしい気持ちになります。おやつくらいの時間帯にご夫婦でお散歩ついでに寄ってくださる方やお買い物の前に立ち寄ってくださる方。いろんな方がいらっしゃいますので、どんな方にとっても心地いい空間であればいいなと思っています。

スープ以外も充実した店に

【三浦 ユーク 統括マネージャー】
今後は「旅するスープ」と銘打った企画も考えています。我々に縁のある方やお客様の出身地のスープや出汁をもとに、そこにどういった思いがあるのか。それをヒアリングしながら、そのストーリーとともに新たなレシピのスープを提供したいなと思っています。また、同じく輸入しているスペインのはちみつを使ったバスクチーズケーキの販売も始まります。季節ごとの旬の食材を使ったメニューはもちろん、新たなメニューもどんどん加えていきたいです。毎週水曜には料理教室も開催予定です。あざみ野の農家さんのお野菜も毎週月曜日に販売しています。道の駅、とまではいきませんが、スープ以外もいろいろと充実していますので、使い方はお客様次第なのかなと。気軽に立ち寄っていただけたらうれしいです。

【棟近 直子 店長】
私は高知出身で、父が趣味で文旦（ぶんたん）を作っているんですけど、今後はそれをジャムにして販売したり、皮の部分をぶんたんピールにしてワインのおつまみで提供したりするのもいいかなと思っています。落ち込んだときや元気が出ないとき、「あのお店に行ったら元気が出る」と思っていただけるようなお店になれるように。また、何かうれしいことや楽しいことがあったら報告しに来てもらえるようなお店、元気の源のような場所としてご利用いただけたらと思います。

※上記記事は2023年2月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。