山中 康徳 オーナー（美容室mix up hair)のインタビュー

この道を志したきっかけや現在に至るまでの経緯をお聞かせください。

美容師を目指したきっかけはごくごく単純なことで、サラリーマンになるのがイヤだったからなんです（笑）。私の祖父と祖母は商いをしていたんですが、それを見て育った父は、反発があったのか、サラリーマンになりました。それを受けた私は、父の例にもれず、サラリーマンになるのではなくて、とにかく手に職を付けたいと考えるようになっていたんです。そうこう考えている矢先、先輩から「美容学校はいいぞ。女の子ばっかりだから」と言われ、「じゃ、行ってみよう」となりました。今考えてみると、本当にしょうがない奴ですね（苦笑）。私の美容室デビューは美容学校に通い始めた頃のことで、それまで全く美容というものに縁がありませんでした。そこで最初に勤めたお店ではまず美容という世界がどんな場所なのかを知ることに6年を費やし、その後、今度は更なる技術の向上を図るべく、自由が丘のお店に勤務しました。やはりそこでも6年といったところですね。
私が最初に自分のお店を構えたのが1985年のことで、場所は日吉でした。そこから3年が経ち、1988年に『cocolo』というお店を市が尾に開き、4年前、2008年に店名を『mix up』と改め、リニューアルオープンしたという形になります。店名こそ変わりましたが、この辺りでは一番古株の美容室ということになるかもしれませんね。

お客様には、どのようなお気持ちで対応されていますか？

「心のつながりを持つ」という意味を込め、以前のお店を『cocolo』と名付けました。以来20年余り、心を大切にして施術をおこなってきましたが、新たなお店にはその想いを更に高め、お客様とより深くつながり交わっていくという考え方から『mix up』とさせていただきました。「心を大切に」とはちょっと大げさなという方もいらっしゃるとは思いますが、簡単に言えば「当たり前のことを当たり前に」ということにすぎません。例えば、足元が不自由な方には手を差し伸べる。例えば、目上の方には敬語を使う。当たり前のことを当たり前におこなうことで、お客様と緻密なつながりを持っていきたいと考えています。

『mix up』の特徴をご説明ください。

特徴がないのがウチの特徴とよく言ってるんですけどね（笑）。先程、「当たり前のことを当たり前に」というお店の心構えの部分をお話ししましたが、美容師にとっての本分はお客様の望むスタイルをしっかりと掴み、それを実現することに他なりません。当店がカウンセリングをおこなう場所と施術をする場所を分けているのは、それを徹底するためでもあります。20年お付き合いをさせていただいている方もいらっしゃいますから、そうしたお客様は「じゃ、シャンプー先に行っちゃうわよ」ということも少なくないんですが、初めてのお客様には、ゼロからのカウンセリングをおこなっています。つまり、メニューを最初から決めてかかることはなしに、パーマ、カラーあり気といった選択でもなく、お客様と話していく中で、お客様のご要望を踏まえ、必要なメニューを・必要なメニューを選択していきます。
当店には特にオススメのメニューといったものもないんです。お客様が望むスタイルを把握し、そのために必要なメニューが、『mix up』のイチオシのメニューということになります。

これまで美容師を続けてこられた中でのやりがいを教えてください。

やはりお客様がお帰りいただく時の「ありがとう」という一言だと思います。1人の美容師として、例えば、「思った通りにパーマを掛けられた」「イメージ通りの色に仕上がった」等、自分の中での満足感というものはあります。ですが、美容師の仕事は、それがお客様のお好みに合わなければなんにもならないんです。
お客様にとっての最高を作っていくのが私たちの仕事であって、だからこそ、お客様からの「ありがとう」という言葉は、何より嬉しいものと考えています。

最後に地域の皆様へメッセージをお願い致します。

長くこの場所でさせていただいているということもあり、当店は比較的お客様の年齢層が高いんです。いや、高いというよりも、小さなお子さんからおばあちゃんまで、幅が非常に広いということでしょうか。実際、親子で3代、4代でご利用というケースも多く、それは非常に光栄なことだと思っています。どうぞお気軽にいらしてみてください。あらゆる世代の、全ての方に愛されるお店であり続けたいと考えています。

※上記記事は2013.2に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。