瀧坪 紀雄 オーナー(kaina 1968 you-wrap (カイナ1968ユーラップ))のインタビュー

kaina 1968 you-wrap (カイナ1968ユーラップ) 瀧坪 紀雄 オーナー

kaina 1968 you-wrap (カイナ1968ユーラップ) 瀧坪 紀雄 オーナー NORIO TAKITSUBO

床屋を営む両親のもとで三男として育ち、理容師の道へ。都内にある店で経験を積み、以降30年近くにわたり青葉区にて理容業に従事。2009年、『kaina 1968 you-wrap』をオープン。(東急田園都市線「市が尾駅」「江田駅」よりそれぞれ徒歩12分)

理容師の両親のもとで育ち、兄弟そろって理容の道へ

両親がともに理容師をしていて、私たち兄弟3人は職人気質の父と「ザ・床屋のおばちゃん」という感じの母に育てられました。そうして一足先に兄2人が理容の世界に進み、私もごく自然な流れで同じ道を選びました。自分としては漠然とした感じではあったものの、ある時ひょっこり出てきた文集を読み返してみると、「僕の夢」という題名で「床屋さんになります」と書いてあったんです。小さなころから両親が働く姿を見ているうち、小学校2~3年の時にはすでに将来の夢を決めていたようでした。今思えば、自分でも気づかないうちに子どものころの夢が叶っていたわけですね(笑)。

理容師になってからは都内にある店舗で3年ほど修業をして、再びここ青葉区に戻ってきました。ちょうど父の知り合いが床屋を畳むというので市が尾駅そばにあったお店を引き継ぎ、父と2人で13年ほど仕事をしていたでしょうか。その後、組み合わせが父から兄へと変わり、そこから独立して1人になって…。こちらに移転してきたのが2009年でしたから、この場所に店を構えてもう十数年になりますね。

忙しい日々を過ごす方々に、癒しの時間を過ごしてほしい

こちらに戻ってから青葉区の中でエリアを変えながら仕事をしてきましたけれど、自分の中では住まいと同じ場所に店を構えるのが大きな夢でした。そうした中、思いがけず理想的な場所に巡り合うことができ、こうして夢を実現することができました。ここは駅から少し離れていることもあって静かですし、カットだけではなくて「ゆったりとした時間を過ごしていただきたい」というコンセプトにぴったりだと思ったんです。

店の内装については、木やグリーンを多用してナチュラルな雰囲気づくりを心がけました。忙しい日々の生活から少し離れ、お客様に心からリラックスしていただけるようにと考えたのです。つい先日も、アンティークっぽいドアを見つけ、さっそく取り替えたりして(笑)。お客様に癒しの時間をご提供できるように、今も日々進化を続けています。当店は予約優先制のため、お客様同士が顔を合わせることはほとんどありません。ほぼ貸し切りのような状態でご利用いただけるため、少々騒がしくても大丈夫。おひとり様はもちろん、お子さんとお父さん(お母さん)といった組み合わせでも気軽にご利用いただきたいと思います。

くつろぎの空間で、カット+αのサービスを提供したい

床屋さんというと「カットをする」だけのイメージがあるかもしれません。でも実は、シャンプーや顔そりこそ、ぜひ体験していただきたいメニューなんです。お客様の中には、シャンプーをしている間にウトウトされる方がたくさんいらっしゃいますし、顔そりができるのは床屋ならではのこと。特に顔そりなどは、女性のお客様にもぜひご利用いただきたいですね。もちろん、カットもシャンプーも顔そりも、全ての工程を私1人で担当いたしますので、お客様にはただゆったりと、くつろいでお過ごしいただければと思います。

こうした定番メニューのほかに人気を集めているのが、白髪をいかしながら男前度をアップする「グレーコントロール(白髪ぼかし)」です。また、マッサージしながら耳まわりのお手入れをする「イヤーリフレッシュ」などもリピート率が高いですね。私自身、勉強会や講習会などにもできるだけ参加して技術の向上に努めていますが、カットなどの場合はご希望のスタイルの画像をスマホなどに保存して見せていただくとスムーズです。ご自宅でのお手入れがしやすく、いつもカッコイイ状態をキープできるようにと考えながら、丁寧にカットさせていただきます。

「床屋さん」ならではの心地よさを知ってほしい

私が青葉区で仕事を始めて、もう四半世紀になるでしょうか。お客様の中には20年以上のお付き合いになる方もいらして本当にありがたく思いますし、地域のみなさまに支えられて今の自分があると思っています。本当に自分は恵まれているなぁと感じますし、だからこそこの仕事を通して一人でも多くのお客様を癒してさしあげたいと思うのです。

はじめて会ったときはまだ小さかった男の子が成長して思春期になると、しばらく顔を見せてくれなくなる時期があります。どうも、おしゃれに目覚めると「床屋なんてカッコ悪い」と思われてしまうようなんですね(笑)。ところが、あるときフラッと顔を見せてくれることがあったりして、そんなときは本当に嬉しいものです。女性ばかりの美容室に馴染めなかったのかもしれませんし、シャンプーやカットのたびに担当が変わるシステムに不満があったのかもしれません。でも、そうした理由など関係なく、純粋にこの店を覚えていてくれていたことが嬉しいんです。だから私は1つ1つの仕事を丁寧に、心地いい接客を心がけながら、「床屋さんって気持ちいい」という体験をもつ人を増やしていきたいと思っています。

地域の皆様へメッセージ

店名の「kaina」にはいくつかの意味があります。ハワイ語のkainaは英語にするとkind、人に親切にする、優しくするといった意味です。また、「かいな」という日本語は「腕」を意味しており、「腕を上げる」「腕を磨く」といった言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。これらはどれも、仕事をする上で私の指針となっています。日々腕を磨きつつ、一人ひとりのお客様と丁寧に接する…。自分の仕事で一人でも多くのお客様を癒し、カッコよく・素敵になっていただきたいと思います。

 

※上記記事は2021年7月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

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