この道を志したきっかけや現在に至るまでの経緯をお聞かせください。
理系と文系で分ければ、どちらかと言うと文系を得意にしていました。そのままいけば、釣り雑誌とかで物を書く人になりたかったんですけどね(笑)。それがなぜ医療系の道に進んだのかと言いますと、色々あるのですが・・・私が高校生の頃に祖父が病に倒れました。入院しているところに何度も行って見ているうちに、この道に携わりたいと思うようになった気がします。それまでは自分とは縁遠いものだったのですが、その時には「こういう誰かを助けようとする仕事があるんだ」と感じたんですね。それがきっかけの1つになったと思っています。2010年に『アイル歯科クリニック』は開院しました。患者さんとのつながりを大事にしていきながら、一方的ではない、その方に寄り添った歯科医療を続けていきたいと考えています。
新海先生の診療方針についてお聞かせください。
科学的背景に則った治療を提案していくということです。歯医者を長く続けていれば、勘や経験といった要素をそれなりに蓄えていくことになります。ですが、それに頼りきりになるのは危険だと思うんです。もちろん、科学が100%正しいとは限りません。しかし、客観的な事実を少しずつ少しずつ積み重ねて現在の医療が形作られてきたことを尊重すべきだと思うんです。仮に10年、20年前と同じことを今、やられたらどう思うでしょう。一般の方は判断が付きにくいかとは思いますが、我々はその知識・技術がいつのものなのかを知っているわけです。歯科医師である限り、自分の良心に恥じない医療を続けていきたいと思います。
インプラント等、失われた歯を補う技術について、先生の考えをお聞かせください。
治療をして、なんとか残せるものなら、出来る限り元の歯を維持する努力を続けていくべきだと思います。当院でもインプラントを扱っていますが、歯を失い、そのことが残っている他の歯に悪い影響を与えるようであれば、インプラントは有用だと思います。とはいえ、自分の歯に勝るものはない、というのが私の結論です。歯を失った場合の処置として他に自家歯牙移植という方法があります。他に機能してない歯、もしくは親不知を移植することで、新たに自分の歯として定着させていく方法です。この方法では移植した歯が正常に定着すれば、のちのち、矯正等で動かすことも出来るんです。
なるべく歯を削らずに残す。これを基本にして、次のステップに進むべきだと考えています。
「自分の歯を守る」ということについてお聞かせください。
虫歯に関して予防方法はすでに確立されています。それを知り、実践することで自分の歯を守ることは可能なんですね。キシリトールやフッ素がその選択肢の1つですが、現状では実費をいただくことになります。しかし、そうであっても受け入れてくださる患者さんは当院には沢山いらっしゃいます。根本的に自分の歯を守りたいという意識は、患者さんの中に育ってきていると思いますし、我々歯科医師がやらねばならないのは、歯を守る正しい知識を啓蒙することに他なりません。当院の医院名、「アイル」は英語の「I Will」をイメージしました。生涯に渡り自分の歯で美味しく食事をしたり、会話を楽しめる。自分の未来を患者さん自身が選択していただけるように、私たちはそのお手伝いをしていきたいと考えています。
最後に地域の皆様へメッセージをお願い致します。
患者さんの歯が治ったという喜びを分かち合えるというのが私たちの仕事の醍醐味ですが、それを為すにはまず、患者さんと私たち、双方が言いたいことを言える環境がなくてはなりません。歯医者さんは怖いというイメージをお持ちなのはある意味仕方のないことですし、特に初めていらっしゃった方は緊張もされています。それをなるべく緩和して差し上げたいんですね。気軽にお越しいただけて、気軽に会話が出来る。対話の出来る環境作りに努めていきたいと考えています。
※上記記事は2012.7に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。
アイル歯科クリニック 新海 正碁 院長 SHOGO SHINKAI
- 出身地: 東京都
- 趣味・特技: 釣り、楽器演奏
- 好きな本・愛読書: 歯科書籍、「原因と結果の法則」ジェームズ・アレン
- 好きな映画: レオン、パイレーツ・オブ・カリビアン
- 好きな音楽: ロック
- 好きな言葉・座右の銘: 一歯入魂
- 好きな場所・観光地: 海