この道を志したきっかけと、これまでの経緯をお聞かせください。
高校生の時に通っていた歯科医院の先生の影響が強かったかと思っています。たまたま同級生3人が一緒の歯科医院に通っていたのですが、先生は3人まとめて食事に連れていってくださりもしました。診療もそうですが、なにより人として魅力のある方でしたから、その先生に魅かれたことが、この世界へと進む大きなきっかけになったと思っています。
大学を卒業してまずは先輩の先生の医院でお世話になり、その後、藤沢にある開業医の先生のもとで長らく勤務医を勤め、都内での分院長を経たのち、平成13年(2001年)に『山崎歯科クリニック』を開院しました。
患者さんのニーズに沿って診療計画を立て、メリットとデメリットを詳しくご説明した上でご自身に治療を選択していただくことを診療方針としています。
診療の際に心掛けていることを教えてください。
患者さんに満足していただくことがなにより大事なことであり、そのためにはしっかりとコミュニケーションをとらなければなりません。我々が満足したとしても、何にもなりませんのでね。例えば、診療以外のお話を伺うのも大事なことです。どこに旅行に行かれたのか、どこのお店で何を食べた、といった普通の世間話から診療に生かしていけるヒントが見つかることもあります。患者さんが何を望んでいらっしゃるのか。それを知るために、患者さんに心を開いていただく必要があるのです。
当クリニックでは、笑気注入鎮静法という処置をおこなうことがあります。これは、歯医者そのものへの恐怖心をお持ちの方や、嘔吐反射を起こしやすい患者さんの緊張をやわらげるために用いられることのある治療方法の1つです。
実際、笑気注入鎮静法を求めて来院された方もいますが、現在、その方にこの方法を用いてはいません。言われるままで処方するではなく、なぜ必要とされているのか、そこを汲むことが肝心です。恐怖心をお持ちの方であれば、心のどこかになにがしかのトラウマを抱えているはずで、そのトラウマを取り去ってあげれば、わざわざ特殊な措置を講じる必要はなくなるのです。
聞きたいことや話したいこと。なんでも聞ける話しやすい環境を作っていきたいと考えています。
『山崎歯科クリニック』のこだわりや特徴をお話しください。
当クリニックに医師は私しかおらず、実は衛生士も在籍していません。レントゲンを撮るのも歯の印象を採るのも全て私の仕事であり、患者さんのお口の中をさわるのは私1人ということになります。患者さんの中には、それこそが安心につながると仰ってくれる方もいらっしゃいます。一番私が心掛けていることであり、当クリニックの最大の特徴の1つと思えるのが、患者さんをお待たせしないということかもしれません。極力、ご予約いただいた時間通りにご案内出来るようにと思っています。
クリニックにいらっしゃれば、待合室でお待たせすることなくご案内し、治療が終わればすぐさまお会計に移る。私も忙しいのは確かですが、これを徹底するために、スタッフにも献身を要求しています(苦笑)。ご予約というのは、患者さんとの約束に他なりません。それは必ず守るべき礼儀ではないかと考えて毎日の診療に臨んでいます。
お子さんの治療で、院長先生が考えておられるのはどのようなことですか?
私は勤務医時代から審美歯科を専門に勉強してまいりましたが、その一方で、子供が好きで、小児診療にも力を傾けてきました。今も午後の早い時間は、子供さんでいっぱいという状況です。 お子さんに関しては、最初の入り口としてお母さんの診療に付いてくるだけでも良いのです。目の前で母親の治療を見て、オモチャを持って帰ってもらう。歯科医院に来るだけでも立派なトレーニングと言えます。子供というのは、初めてのことには大概が恐怖心を抱くものです。それを軽減出来るように努めるのが、小児診療においては非常に大事なことだと考えています。
お子さんがいらっしゃれば、お母さんが来て、良ければ週末にお父さんがいらっしゃるというのが、街の歯医者さんの一般的な流れかと思います。つまり家族全員を診るということであり、それによって虫歯になりやすい家系なのか、そうではないのかといった傾向をつかむことが出来ます。傾向がわかれば、注意するべき点もまた把握出来るということです。
新しい技術や新しい知識を仕入れることも確かに大事なことに違いありませんが、今の患者さんをしっかりと見て、あらゆる角度から情報を入手すること、患者さんから教えてもらうという意識も大切なことだと考えています。
最後に地域の皆様へメッセージをお願い致します。
何かが起こってからでは遅いということを知っていただきたいですね。昔は初期診療こそ重要と思われていましたが、今はそこからさらに一歩進んで、予防歯科の観点がより重要視されてきています。そのためにも、定期的なメンテナンスが求められるのです。 定期的にお越しいただくことには、モチベーションを保つ効果もあります。常に見られているという意識が、患者さんをして日々の歯ブラシを頑張ろうという気にさせてくれるのです。自分の歯への関心を高く保ってもらう。その点を考えていただくことも、我々の務めだと考えています。
※上記記事は2013.2に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。
山崎歯科クリニック 山崎 智人 院長 TOMOHITO YAMAZAKI
- 出身地: 東京都
- 趣味・特技: 釣り、ゴルフ
- 好きな本・愛読書: 永遠の0
- 好きな映画: ショーシャンクの空に、七人の侍
- 好きな音楽・アーティスト: オールジャンル
- 好きな言葉・座右の銘: やらないで後悔するよりやって後悔したほうがいい
- 好きな場所: 海