地挽歯科医院 地挽 雅人 院長 MASATO JIBIKI
大学卒業後、口腔外科を専門に研鑽を積む。大学病院では形成外科も経験し、横浜市青葉区に開業。
大学卒業後、口腔外科を専門に研鑽を積む。大学病院では形成外科も経験し、横浜市青葉区に開業。
私は、祖父から数えて3代目の歯科医師に当たります。この道を志したことについては、父や祖父が診療をしている姿を間近で見て育ち、その影響を強く受けたということかと思います。一時、経済学を学ぶことを考えたこともありましたが、落ち着くべきところに落ち着いたというところでしょうか。鶴見大歯学部を卒業したのち、口腔外科を専攻しました。その後に横浜市立大学の形成外科に籍を置いた時期もありましたが、こちらも口腔外科との関わりになります。血管同士をつないだり、皮膚を移植したり、その辺りを重点的に学んだという形ですね。
『地挽歯科医院』は、平成9年(1997年)に開院致しました。大学病院で長きに亘り口腔外科と形成外科に勤務した経験を通じ、質の高い歯科医療を地域の皆様に提供していきたいと考えています。
「出来る限り、歯を残してあげたい」 これが私の思うところであり、そのために、あらん限りの力を尽くしていきたいと思うのです。一方、歯を残していくには、患者さんご自身の協力が不可欠です。歯を大切に思う気持ち。それが最も重要なのです。この間のことですが、飲み屋さんで「もう歯医者に行く必要はないんだ…」と、隣の方が話しておられました。「どういうことだろうか?」と耳を傾けてみますと、その方曰く、「IPS細胞で、歯がなくなっても生えてくるようになる。だからもう歯医者はいらないんだ」ということのようでした。そこで口をはさむのも大人気ないですから黙っていたのですが(笑)、歯を再生するということが実現するには、まだまだ幾重もの段階が必要になってくると思われます。
しかし、この話は極端なこととしても、歯が抜けても差し歯が簡単に入ると思ってる方は少なくないのです。世の中は進んできているから、歯が痛くなるまで放っておいても大丈夫だと。この認識は、いささか問題です。歯が抜けてしまえば、入れ歯を用いるしかありません。インプラントにしても、骨の状態や身体の状態に左右されます。
自分の歯に勝るものはないのです。それは、医療がどんなに進歩しようと変わらない事実。だからこそ、歯を大切に考える心を持っていただきたいと思うのです。
当院では、難しい親知らずの抜歯や顎関節症、あるいは歯や歯肉・顔面皮膚・唇・舌の外傷、腫瘍などの難しい疾患を診療しています。開業当初はお隣が消防署ということもあり、この分野での来院が非常に多い時期がありました。オートバイで突っ込んであごを折ってしまったとか、刑事さんが唇を切られたとか、まあ、色々です。最近になってこうしたトラブルによる患者さんが少なくなったのは、近隣にこの分野を扱う大きな病院が出来たからかもしれませんね。
この口腔外科領域の専門知識を活かしたものとして、当院では訪問診療をおこなっています。ご存知のように高齢社会となり、訪問治療のニーズは多くなってきていると感じていますが、一方で、歯科が訪問治療をおこなっていることを知らない方がまだまだ多いという現状があります。また、歯科医師の側においても、訪問診療をされていないケースも少なくないのです。
その理由としては、経験が必要な分野であるということと、対象の患者さんが全身の疾患を抱えてらっしゃるケースが大半であることが関係しているように思われます。たとえば、脳梗塞を経験されて、血液がさらさらになる薬を服用されていたりとか、そうしたケースです。となりますと、何かあった場合のリスクが伴ってくることになります。私は長く口腔外科に籍を置いていましたから、その辺りの対応については経験が生かせるのではないかと考えています。
歯科技工士が常駐し、精密な修復物や補綴物をこちらで作製しています。技工所が院内にあることの利点は、1つにスピードが挙げられるでしょう。たとえば、義歯の調子が思わしくない方がいらっしゃると、30分か1時間で仕上げることが可能になります。通常は技工所に改めて依頼をしてからのことになりますから、その違いは大きいものがあるかと思います。また、技工士がその場にいるということで、患者さんと直接コミュニケーションをとりながら技工物の製作に当たることも可能となります。セラミックの歯を入れるにしても、色や形、その他様々なご要望をとりいれながら作ることが出来るのです。もちろん、叶えられるもの、叶えられないご希望はありますが、より患者さんにご満足いただけるものを提供出来うるということですね。
私が小学生のとき、歯科医院の前には30人も40人も患者さんが待っている状態でした。帳面に記入いただくのですが、どれくらい待ったと思われますか? 1時間?いやいや、2年です(苦笑)。とにかく歯医者の絶対数が足りなかったものですから、患者さんもよほど痛みがひどくならない限り、歯医者には掛かれなかったわけです。
今は、あの時代とは違うのです。患者さんは、歯医者に掛かりたい時に掛かることが出来る。だからこそ、歯が悪くなってから門を叩くのではなく、定期的にいらしてほしいのです。ご自分の歯を良い状態で長く保つために、その習慣を取り入れていただきたいですね。
※上記記事は2015.3に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。
※新規登録またはログインすることにより、青葉区.jpの利用規約、およびプライバシーポリシーに同意したことになります。