本津 浩明 院長 & 木村 聡美(メンタルクリニック響)のインタビュー

メンタルクリニック響 本津 浩明 院長 & 木村 聡美

メンタルクリニック響 本津 浩明 院長 & 木村 聡美 HIROAKI HONZU & SATOMI KIMURA

お二人がこの道を志したきっかけと、これまでの経緯をお聞かせください。

【本津 浩明 院長】初めはお医者さんになろうというつもりはなく、どちらかと言えばバイオテクノロジーというものに興味を持っていました。その志向から理系を選ぶことになり、やがてそれが生物系につながり、医学部への進学となった次第なのです。
大学へ入学した私は、未だ解明されていない人間の医学的真実を追究したいという思いを持っていました。精神医学に興味を持ったのは、そのうちで「最もわからないことが多い領域はなんだろう?」という素朴な疑問から始まったことなのです。また、臨床実習が始まりますと、この科が最も患者さんとじっくり向き合えるという印象を持ったことも大きいかもしれません。
卒業後、神奈川県立精神医療センターに勤務することとなりました。小児精神科、認知症、さらにはアルコール薬物依存の専門病棟と、かなり広範囲に廻って経験を積むことが出来たと思っています。その後、一旦大学に戻り精神分析学を学び、平成13年(2001年)に『メンタルクリニック響』を、当地(東急田園都市線・あざみ野駅より徒歩1分)にて開院したという経緯になります。

【木村 聡美 薬剤師】
私はこれ以前に医薬品の研究開発に携わっていました。その過程で、心が身体に与える影響というものに興味を持つようになり、こちらでお世話になることとなったのです。それ以来、13年が経つことになります。 『メンタルクリニック響』は、クリニックとカウンセリングルームの2つの方向から患者さんを支えていく形をとっています。私は『カウンセリングルーム泉』代表としてカウンセリング施設の運営と管理を行い、クリニックでは、薬剤師としてお薬の調整等に携わらせていただいています。

カウンセリングに力を入れているクリニックと伺いましたが?

【本津 浩明 院長】精神的、あるいは身体的な苦痛を緩和したいというのが、患者さんの最初の願いになるでしょう。症状のみを治すということであれば、それはお薬を使ったほうがずっと早く結果が出ますし、また、効果の確実性も見込めます。しかし、お薬の効果はその時点のものに過ぎません。症状を抑えることは出来ますが、それだけで根本的な解決にはなり得ない。その症状を起こす根っこであり、背景にある問題を捉え、解決していくために有効なのが、カウンセリングということになります。
『メンタルクリニック響』は、開業当初より、医療的な心理療法(カウンセリング)をしっかりと受けることが出来る治療機関を作っていくということを1つの大きな目的として生まれたのです。

治療の具体的な流れをご紹介ください。

【本津 浩明 院長】カウンセリングは、誰でも彼でもおこなえば良いというものではありません。と言いますのも、医療的なカウンセリングは、受けられる患者さんの心にある程度の負荷が掛かるからなのです。つらかった記憶を思い出したり、自分が目を背けてきた現実を認識していくことは、誰にとっても難しいものでしょう。その方が今、カウンセリングを受けていい状態かどうか。その判断をおこなうのが医師である私の大切な仕事であり、その結果を受けて方針を決め、カウンセリングルームにオーダーを出していくということになります。
医師が判断をし、治療方針を決め、心理士がカウンセリングをおこない、薬剤師がお薬を調整する。そして、ソーシャルワーカーが家族調整、環境調整を担う。質の高い医療を提供していくために、個々が専門分野を活かしていく体制が、これからは求められると考えています。

精神科のお薬の役割とは?

【木村 聡美 薬剤師】お薬とは、自転車の補助輪のようなものです。いずれ補助輪なしで自転車を乗れるようになっていただくために、私たちはサポートをしていくことになります。
この補助輪であるお薬に、過度に頼り過ぎる方がいらっしゃいます。そうした方々は、補助輪を外すことが恐くて仕方ない。逆に、精神科のお薬それ自体に偏見があり、まったく服用されない方もいらっしゃいます。私たちの役割としては、お薬の正しい知識を提供し、上手にこれを利用していただけるよう助言をおこなっていくことにあるのです。
お薬をお渡しするのに、ただ、「こういう副作用が出ます」と伝えるだけでは不安が残るでしょう。この症状が出たときは、こうしたら良いという、予見出来る限りの情報をあらかじめ伝え、患者さん自身に薬の正しい知識を持って、一緒に薬物治療に参加して頂くことが大切です。少ないお薬を効果的に使っていただき、カウンセリングや治療に正面から向き合えるようになっていただけるようにと考えています。

最後に地域の皆様へメッセージをお願いします。

【本津 浩明 院長】 当クリニックは、「何かあればいつでも来て」というスタンスではありません。その意味では、便利なクリニックという感じは抱かれないかと思いますが、私からすれば、治っていないにもかかわらず、「何かあれば来て」というのは、非常に無責任だと思うのです。 これから何が起こることが予測されるのか。それに対して、どう対処すれば良いのか。患者さんとしっかり打ち合わせをし、その上で、「次はいつ会う」という約束をしていく。継続的な関わりの中で、互いが約束を果たしていくことで、患者さんは快方に向かっていくと考えています。
常に一緒にいられるわけではありません。しかし、約束を通してつながっていくことで、患者さんを決して1人にしないことを心掛けていきたいと思っています。

【木村 聡美 薬剤師】
当院では、患者さんを中心としたチーム医療を行っています。
まずは、患者さん自身がどうしたいのか。治りたい、その思いに医師、薬剤師そして心理士が全力でサポートします。なので、どんどん患者さんには自分が「治るため」に治療に参加して頂きたいと思っています。
ここが、あなたにとって最後のクリニックになるように。『響』に来て良かったと思っていただけるような医療施設にしていきたいですね。

※上記記事は2015.5に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。

メンタルクリニック響 本津 浩明 院長 & 木村 聡美

メンタルクリニック響本津 浩明 院長 & 木村 聡美 HIROAKI HONZU & SATOMI KIMURA

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  • 出身地: [本津] 兵庫県 [木村] 青森県
  • 趣味・特技: [本津] 旅行 [木村] ソーラーカー、茸採り
  • 好きな本・愛読書: [本津] 星の王子様 [木村]高橋克彦
  • 好きな映画: [本津] レナードの朝、ニュー・シネマ・パラダイス、落下の王国 [木村]サイエンスフィクション
  • 好きなアーティスト: [本津]ローリングストーンズ [木村] エンヤ、服部祐民子
  • 好きな言葉・座右の銘: [本津] 誠実 [木村]一途一心
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