武藤 亮治 院長(あざみ野ポプラ歯科クリニック)のインタビュー

あざみ野ポプラ歯科クリニック 武藤 亮治 院長

あざみ野ポプラ歯科クリニック 武藤 亮治 院長 RYOUJI MUTOH

歯科医を志したきっかけと大学でのご専門、ご開業までの経緯についてお聞かせください。

サラリーマンだった親からは、「一人でやっていける職業を見つけなさい。勤め人は向いている人でないと大変だから」と言われて育ちました。確かに会社員は安定しているのですが、必ずしも自分に向いているポジションで仕事ができるわけではありません。父は自分の経験から、向いている仕事をコツコツ続けていく人生を勧めたかったのかもしれません。その結果、開業医として自立できる歯科医師を選ぶことにしました。
歯学部を受験するにあたり、いったん親元を離れてみようと徳島大学へ進学しました。せっかくなので、暖かいところで暮らしてみたかったのです。自然に恵まれ食べ物がおいしい徳島は、第二の故郷になりました。最初に感動したことは、とにかくうどんがおいしいことです。うどんと言えば香川ですが、徳島でうどん店を営む方は、香川で修行を積んで戻っていらっしゃいます。ですので、本場の讃岐うどんを堪能できます。

大学での専攻は失った歯を補てんする補綴学で、中でも入れ歯、差し歯について詳しく勉強しました。幼少期からプラモデルを作ることが好きでしたので、歯の模型を作って並べることが楽しくて仕方ありませんでした。研修医時代は、真夜中の3時ごろまで入れ歯や差し歯を作っていました。この作業を7年ほど続けました。そうして義歯を700-800個も作っていきますと、今度は患者さんの口の中を見て瞬間的に頭でシミュレーションができるようになります。また実際に自分で義歯や差し歯を作ってきましたから、技工士さんの技量ならびに製作物をきちんと評価できるようにもなります。実際に入れ歯や差し歯を発注する際も、腕の良い技工士さんにより具体的で的確な指示書を出すことができますから、できあがった入れ歯、差し歯がすぐに装着可能になります。仮に調整が必要であっても、わたしがその場ですぐに修正作業をしますので、患者さんをお待たせすることがありません。

修業時代は病院の口腔外科で親知らずの抜歯もたくさん経験してきましたので、口腔外科分野でもある程度のことはお任せいただけます。やはりせっかくお越しいただいてすぐに別の医院を紹介されるのは、患者さんにとって負担が大きいことだと思います。専門性が高い症例につきましてはそれぞれの分野の専門医の先生にお願いしますが、当院をお選びいただいた患者さんにはできるだけのことをさせていただきたいと考えています。幸い口腔外科時代に、さまざまな症例を担当させていただいてきました。不安に感じることがございましたら、是非ご相談いただけたらと思います。

診療方針について教えてください。

人間が作るものには何事もメリット・デメリットの両方があります。例えばインプラントは自分の歯と同じように噛むことができ便利ですが、装着時に外科処置が必要になりその分お値段も高くなります。一方入れ歯は外科処置が要りませんが、装着時に違和感を感じたり自分の歯のような咀嚼ができません。そこで双方についてじっくりご説明したうえで、患者さんに納得してお選びいただくようにしています。特に自費診療をご提案した場合は、ご説明の後実際にお決めいただくまで2週間くらいじっくりお考えいただくこともあります。やはりご自分で納得した上で選んでいただきたいからです。

訪問診療を受け付けていらっしゃるそうですが、詳しくお聞かせください。

専門が入れ歯・差し歯ですので、必然的に若い頃から高齢者の治療をさせていただいています。高齢者の中には外出困難な方や、交通事情からご来院に負担がかかる方も多く見受けられます。そこで勤務医時代から訪問診療を仰せつかってきました。
高齢者の治療を通じて一番うれしく感じることは、入れ歯を入れた患者さんが噛む力を取り戻されて元気になっていくお姿を拝見することです。老化とともに人間の体の機能はどんどん衰えていくのですが、歯を調整することでその速度をある程度遅くすることができます。補綴学会でも「食べないと腸は動かない。腸を動かすことではじめて、きちんと栄養が吸収される」と言われていますので、患者さんの食べる機能を回復させることを特に大切にしています。

例えば消化機能が低下した患者さんの場合、胃の中に管を装着し半消化のものを流入する胃瘻(いろう)という措置がありますが、それを長期にわたって続けますと消化器はますます機能しなくなります。胃瘻はあくまでも機能回復をするまでの通過点とすべきです。やはりご自分の口で食事をすることはとても大切なのです。わたしは高齢者の方々がもう一度食事を楽しむことができるよう、これからもさまざまなお手伝いをさせていただきたいと考えています。

リラックスして診療を受けていただくため、工夫していらっしゃることがあれば教えてください。

できるだけ明るい空間になるよう、クリニックを設計してきました。しかし一番肝心なのは建物や設備などのハード面より、医師やスタッフが患者さんに寄り添ってご提供できるソフト面の方ですね。ありふれてはいるのですが、気持ちが落ち着くような音楽を流したり、明朗快活で話好きなスタッフが患者さんにお声掛けをさせていただいています。またわたし自身が患者さんに相談しやすい雰囲気作りをし、ご様子を注意深く伺いながら丁寧に診療することが何より大切です。患者さんが快くご来院できるよう、これからも心を配っていきたいと考えています。

診察で心がけていることと、地域のみなさまへのメッセージをお願いします。

患者さんとわたしとの出会いは「一期一会」です。当院をお選びいただいた患者さんにはできるだけ満足して帰っていただきたいので、わたしにできることはどんなことでもさせていただきたいと思います。また小さなことでも頼ってご相談いただけるよう、これからも研鑽を重ね新しい情報には常にアンテナを張っていきたいと思います。
わたしにとってあざみ野は生まれ育ったホームタウンです。慣れ親しんだこの街で地域医療に生涯を捧げようと思い立ち、開業しました。不調を感じましたら、どんなことでもまずはご相談ください。

※上記記事は2017.05に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。

あざみ野ポプラ歯科クリニック 武藤 亮治 院長

あざみ野ポプラ歯科クリニック武藤 亮治 院長 RYOUJI MUTOH

あざみ野ポプラ歯科クリニック 武藤 亮治 院長 RYOUJI MUTOH

  • 好きな言葉・座右の銘: 一期一会
  • 好きなアーティスト: クラシック、ビートルズ
  • 好きな場所・観光地: 海
  • 出身地: 横浜市あざみ野
  • 趣味・特技: バイオリン
  • 好きな本・愛読書: 歴史小説。特に幕末もの。
  • 好きな映画: 「ピンポン」(2002年、アスミックエース)

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