梶原 良介 院長（かじわら田奈駅前こどもクリニック)のインタビュー

導かれた小児科医師の道

高校2年生のときに、「将来は小児科医になろう」と志しました。医者は一生やりがいを持てる職業だと思い（もともと子どもと接するのが好きだったので）それまではのんびりとした学生生活を送っていましたが、医師を志してからはスイッチが入り、毎日10時間の猛勉強をしました。
金沢大学医学部を卒業後いくつかの病院に勤務し、診察にあたりました。一時期カナダのブリティッシュコロンビア大学に留学し、自然免疫の研究をはじめ、研鑽を積みました。帰国後はまた勤務医として尽力していましたが、2017年に「かじわら田奈駅前こどもクリニック」を開業しました。この場所を選んだのは、田んぼの広がるおだやかな風景が私の性格と合っているような気がしたからです。

ライオン先生と呼ばれるきっかけ

イメージキャラクターの「ライオン先生」は、開業当時4歳だった娘と一緒に考えました。娘はライオンが大好きでしてね。ちょうどライオンのオレンジが私の好きな色でもあったので、「クリニックはオレンジを基調とした内装にして、ライオンのイメージキャラクターも作ろう！」と思いついたんです。いくつかのデザイン案の中から娘が「これ！」と決めてくれました。なかなか可愛いでしょう。私も気に入っているんですよ。
しかしいつしか私自身が子どもたちから「ライオン先生」と呼ばれるようになりました（笑）つねづね「子どもたちと友達になりたい」という想いで接してきたので、身近な存在として感じてもらえているようで嬉しいですね。

子育て相談室でお悩みを解決

また、当院では一般診療のほかに、助産師による「育児相談」も行っています。近年は核家族化が進み、周りのサポートが少ない家庭が多くなってきましたので、そういった方々の子育てに関する悩みに専門家の立場から親身に寄り添うことができればと思い2年前から始めました。「育児相談」は朝10時と11時からの2枠で、お一組ずつご予約いただけます。ご相談される方には助産師への質問をあらかじめご記入いただいています。助産師もすべての質問に丁寧に答えます。ありがたいことに、当院では素晴らしい看護師と助産師が働いてくれています。時間に追われるような忙しい小児科医院ではなく、地域の子どもたちやご家族の気持ちに寄り添いながら診察しています。

発達障害の診察について思うこと

最近は、子どもたちの発達障害の悩みを抱えるご家族が増えてきました。これは障害を持つ子どもの数が実際に増えたのではなく、発達障害が広く認知されるようになったためだと思います。ただ、ひとえに発達障害といっても程度の差や内容はまちまちです。例えば学習障害（LD）の子どもたちは、 一見すると他の子どもたちと変わりませんが、いざ勉強を始めると「読めない、書けない」問題が生じます。また注意欠陥多動性障害（ADHD）の子どもたちは、気が散りやすかったり、じっとしていられなかったりします。程度によっても診断は変わってくるため慎重な判断が必要です。
また、専門クリニックの受診が必要と判断した場合は、紹介状を書くこともありますが、そのようなクリニックはまだまだ数が少ないのが現状です。だからこそ私たちのような町の「かかりつけ医」の役割はとても重要です。「話したくても言いづらい・・・」そんな気持ちを抱えているご家族の方もいらっしゃると思いますが、全力で解決していきますので心を開いていただけたらと思います。

これから受診される患者さんへ

地域の子どもたちの成長過程を、最初から最後までサポートしていくこと。それが僕の使命です。こと自分の生活においては「最小限の努力で最大限の効果を」が座右の銘ですが、子どもたちに対しては「最大限の努力で最大限に効果を」がモットーです。子どもたちの成長を見守ること、家族の気持ちに寄り添うことを日々大切にしながら診察にあたっています。ぜひお気軽にご相談にいらしてください。
※上記記事は2020年8月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。