金杉 和男 院長(Kクリニック)のインタビュー

Kクリニック 金杉 和男 院長

Kクリニック 金杉 和男 院長 KAZUO KANASUGI

東京都出身。東北大学医学部を卒業後、癌研究会付属病院研修を経て国立がんセンター病院外科レジデントに。その後、聖マリアンナ医科大学第1外科、聖マリアンナ医大横浜市西武病院外科を兼任し、1987年にKクリニックを開設。

消化器疾患や乳がんの手術経験をもとに開院

私が医学部を卒業する時期は医局改革を目指して医師国家試験をボイコットしたり、非入局・自主研修が行われていました。そのような状況下、仲間5人と癌研究会付属病院に研修に行くことになりました。当時の病院長は黒川利雄先生という有名な内科医でした。その後、外科を目指していた小生は、国立がんセンター病院の外科に移りました。田中角栄首相時代、各県に医大を設置する構想が出現し、神奈川県では聖マリアンナ医科大学や東海大学創設されました。小生は聖マリアンナ医大に入職しました。病院開院時、卒業生はまだいないため、比較的多忙でした。聖マリアンナ開院第1日の第1例目の手術につき合うことになりました。聖マリアンナ医科大学では消化器疾患や乳がんの手術を数多く手掛けました。約20年以上の臨床経験後Kクリニックを開院しました。

乳がんの早期発見に尽力

Kクリニック設立後、消化器と乳腺の疾患を中心に地域医療に貢献してきましたが、今後も変わらず続けていきたいと考えています。乳腺疾患については聖マリアンナ医科大学病院開院時で乳がんの患者がゼロだった時代から対応しました。周辺の町内会に行って乳がんの話をしたこともありました。当時、乳がんになる女性は全国で年間で3万人ほどでしたが、今は10万人くらいの女性が乳がんになります。小生のクリニックでは、毎月2、3人の乳がんを診断しています。去年は1.6ミリの乳がんを診断しましたが、早期乳がんの診断は大変難しいものだと考えています。

セルフチェックで違和感を見つけてほしい

胸に違和感やしこりがあるという場合は、なるべく早めに受診することが大切です。自己診断(セルフチェック)を続けていただき、いつもと何か違う感触があればすぐにご相談ください。お風呂に入っているときに気がついた、という方もいますが、早い段階で見つけるためにも自分でこまめにチェックいただくのが大事です。従来から40代後半から乳がんのピークと言われていましたが、今は年齢関係なく罹患します。今年は92歳の患者さんの乳がん手術を担いました。私が今まで診た乳がんの最高齢は100歳。最年少は18歳です。今はどの年齢でも乳がんになるリスクがあると考えていただきたいので、毎月セルフチェックは必ず実施していただきたい。

大学病院などと連携してさらなる安心を

消化器疾患に関しては、食道がんから直腸がんまでの手術を経験してきましたが、何か気になることがあるときには気軽にご相談いただきたい。消化器内視鏡に関しては、聖マリアンナ医科大学の内視鏡室の責任者に来ていただいています。大学と同じレベルの診療が可能です。胃と大腸、それを同時に検査ですることも可能です。鎮静剤を使用しますので、患者さんには「知らないうちに終わった」と喜ばれています。また、ほかのクリニックや大学病院との連携にも力を入れています。例えば、すい臓のMR検査をお願いできる施設と連携しています。クリニックの機能は、大学の一部をを担っているようにしたいと思っています。個人で全部抱えるのではなく、何かあれば他施設にバックアップしてもらいながら、患者さんにとって一番いい形を提供できればと考えています。

親切に優しい診療を

患者さんと向き合うときには、親切に優しく対応するようを心がけています。しかし、若い医者を教育するときは厳しくします。聖マリアンナ医科大学で若い医師を指導するときには“鬼の金杉”なんて言われたこともあります(笑)。それくらい怖がられていた時期もありましたが、患者さんに対してはとにかく優しく、丁寧に対応するよう心掛けています。今後ともよろしくお願い致します。

 

※上記記事は2024年4月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

Kクリニック 金杉 和男 院長

Kクリニック金杉 和男 院長 KAZUO KANASUGI

Kクリニック 金杉 和男 院長 KAZUO KANASUGI

  • 出身地: 東京
  • 趣味: 読書と音楽鑑賞
  • よく読む本・愛読書: 司馬遼太郎、フデレリック・フォーサイス
  • 好きな映画: ゲイリー・クーパーの映画
  • 好きな音楽: シャンソン
  • 好きな場所: ドイツ

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