可愛動物病院 鈴木 道夫 院長 MICHIO SUZUKI
大学卒業後、勤務医として幅広い症例に携わり、スキルを磨く。1991年、横浜市青葉区に開業。
大学卒業後、勤務医として幅広い症例に携わり、スキルを磨く。1991年、横浜市青葉区に開業。
獣医学科に進んだ時点では、大学で研究を続けたいと考えていました。外科の分野で、よりよい治療方法を考えて臨床に貢献したいと思っていたのです。しかし勉強を続けていくうちに、これまで学んだことを臨床の現場で別の形で活かしたいと考えるようになりました。大学に在学中は3週間に1回は大学の付属動物病院で臨床の現場みていて、ここもきっかけのひとつになりました。
大学を卒業した後は、個人の動物病院に3年ほど勤務しお世話になりました。そして1991年に、実家に近い青葉台で開業しました。ここ最近、長年これまで通われていた飼い主さんが、次々にこの地を離れていかれるのがなんとも寂しいかぎりです。特に、ご病気や老人ホームへの入所が原因でペットを手放される方もいらっしゃるため、心を痛めることが多くなりました。
インターネットは以前から活用していたのですが、研究会や勉強会に頻繁に出席していた時期があり、そのときにコンテンツが増えていきました。体調を悪くして活動を自粛していた時期もありましたが、最近また別の形で情報収集をして飼い主さんに貢献しようと考えています。
特にウサギ関連の情報発信に力を入れてきたのですが、これは12-13年前からウサギを飼う飼い主さんが増えたことが原因です。現在わたしが診させていただいている動物の4割近くがウサギですので、近所の方からは「ウサギを専門に診ていらっしゃるのですか?」と質問されることもあります(笑)。本来は犬猫を中心に診療してきたのですが、ウサギの飼い主さんが増えたのでウサギ関連のコンテンツを増やしました。ウサギの飼育に関する情報が少ないこと、そして診察できる獣医さんもそれほどいらっしゃらないことなどから、飼い主さんご本人が情報収集にかなり積極的です。細部に渡って知りたいと思われることが多く、インターネットで発信されている情報にはくまなく目を通されています。来院される前に、ある程度病名を推定していらっしゃる方も多いです。こうした事情から、ホームページにも情報を載せておかないとその方たちの要望にお応えすることができません。現在は中断していますが、以前は飼い主さんの為にするウサギ関連のセミナーをやっていたこともあります。また、ウサギは可愛いのですが、繁殖力旺盛でどんどん増えていくという特性があります。飼い主さんには、つがいで飼わないでいただくようアドバイスもしています。
開業当初から東洋医学を取り入れた診療をしてきました。現在では西洋・東洋という分け方をせずに互いのよいところを併用して治療することがトレンドになってきましたので、大変よい傾向だと考えています。当院ではレーザー、鍼、灸、低周波パルスを使ってツボや経絡を刺激する療法を行っています。
治療の一例をご紹介しますと、後躯麻痺で急に動けなくなったワンちゃんに先ほどのツボ療法を実施しましたところ、徐々に回復してワンちゃん自身が治療を喜んで受けに来るようになりました。治療が進むにつれ表情がイキイキとするようになり、最後は得意気な顔でしっかり立ち上がり歩けるようになりました。まさに「獣医冥利に尽きる」体験です。
まず開業当初から実施していることは、治療の料金体系を明確にすることです。動物病院は実費治療ですので、多くの飼い主さんは「一体いくらかかるのかしら」とかなりご心配な様子で来院されます。こうしたご不安を取り除くためにも、治療の細目と料金を明示してきました。最近はホームページ上で公開していますので、ご来院の前に一度目を通していただけたらと思います。
次に心がけていることは、まず飼い主さんの希望・要望に沿える治療を行うことです。特に基礎疾患は取りこぼすことなく必ず治すことを心がけています。当院では対応できないような高度医療が必要な場合は、専門の病院をご紹介しますので、どうかご相談いただきたいと思います。また先ほども触れましたとおり、飼い主さんが満足しご納得いただけるよう、これからも情報発信に熱心に取り組んでいく所存です。情報収集にもさまざまな方法がありますから、これまでの実績やネットワークを駆使して飼い主さんに喜ばれるような有用な情報をお出ししていきたいです。
最初に申し上げたいことは、ペットを飼われたら最後まで面倒を見ていただきたいということです。引越しなどの理由で簡単に置いていったり、捨てて行ったりするという話をお聞きすると、いたたまれなくなります。老人ホームに入居されるという事情なら致し方ないのですが、それ以外で愛護センターに「処分」を依頼する方が多いことをとても忍びなく感じています。
本来はコミュニケーション不足になりがちなご高齢の方に飼っていただいたいのですが、将来的なことを考えて新たに飼うことに尻込みをする方が多く、このことについては致し方なく考えています。しかし現在飼われている方で、ご自身がご病気になられた際のケアをご心配されているのであれば、一度ご相談いただきたいと思います。できるだけ飼い主さんが「処分」という道を考えないようなアドバイスをしていきたいと思います。
※上記記事は2015.1に取材したものです。
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