新妻 俊二 オーナーシェフ(四川料理 SHUN)のインタビュー

四川料理 SHUN 新妻 俊二 オーナーシェフ

四川料理 SHUN 新妻 俊二 オーナーシェフ SHUNJI NIIZUMA

「シェラトン都ホテル東京 四川」での10年の修業を経て、2011年12月、地元青葉区たまプラーザの地に『四川料理SHUN』をオープン

美味しいものを食べるのが好きで

子供の頃から食べるのが好きなんですよ。両親が美味しいものを食べさせてくれてたんでしょうね。で、食べるのが好きだと、今度は「作ってみよう」となります。いざ自分でやってみると、「美味しいものを作るのは大変だな」と思うようになり、いつしかこの道を選択肢に入れるようになっていました。

調理師学校を卒業後、「シェラトン都ホテル東京 四川」に勤めました。当時は今と違い、働く時間も長いですし、新米の頃は料理を作るなんてことはなくてですね(苦笑)。板場を任せられるようになって、ようやく実感を得られるようになっていきました。披露宴などが重なると、1日に千人を超えるお客様をもてなさなくてはなりません。仕入れから人の配置など、考えなければいけないことが盛りだくさんでしたが、その頃になると仕事が楽しくなっていきました。

『四川料理SHUN』は201112月にオープンしました。そもそも中華を選んだのは、子供の頃から好きだったというのが1つ。それから、学生時代に中華料理店でアルバイトをしていた時期があって、改めて魅力に気づいたということがあります。中華料理は、「酸(酸味)」「辣(辛味)」「麻(しびれ)」「苦(苦味)」「甜(甘味)」「香(香り)」「鹹(シェン/塩味)」の七味で構成されています。味の組み立てが複雑で、それが食べていて飽きない、奥深さに繋がっているのでしょうね。

本場の鮮烈な味と香りを

調味料などはほぼ手作りです。甜麺醤や八丁味噌がそうですし、それから豆板醤も一部自分で作っています。中国から仕入れたものもこちらでブレンドして、発酵させて食べやすくするといった工夫をしています。ホテル時代からの習慣ですから、これは今後も変わらないでしょうね。

今はコロナ禍で難しいのですが、毎年中国に山椒や唐辛子を調達しに行っています。山椒も唐辛子も日本にあるのですが、やはり現地で強いれたものは味が全く違いますね。代用しようとしても、刺激が弱く、味が決まりづらいんです。お客様もよくご存知で、中国から帰ってきた時にはそれを求めて来店される方もいます。山椒は特にですけども、日本ではなかなか味わえない鮮烈な味と香りを楽しんでいただければと思います。

ぜひ試していただきたい料理が

「陳麻婆豆腐」に「よだれ鶏」、それから「アオリイカの青じそ炒め」の3つは、常連のお客様が必ず注文されるメニューです。諸説ありますけども、「陳麻婆豆腐」は四川省で陳というおばあさんが作ったと言われています。四川省は陽があまり当たらない土地なんですね。そこで体の中から汗をかきやすくするという意味もあって、あちらの料理は油が多いんです。ニンニクや豆板醤、生姜、そして山椒などの香りが濃厚に含まれている油が「陳麻婆豆腐」の特徴です。

四川料理というと「辛い」というイメージをお持ちの方が大半かもしれません。でも、それだけではなく、「塩」を使った料理も多くあって、「アオリイカの青じそ炒め」もその1つです。四川省の中に自貢市(じこうし)という場所があります。内陸ですけども、そこで採れた塩は古来より中国では重宝されてきました。辛い料理もオススメですけども、四川の塩の料理の妙味をぜひ味わっていただければと思います。

ホテルライクなできる限りのおもてなしを

ホテルのような超一流のサービスというわけにはまいりませんが、私たちにできる限りのおもてなしをしていきたいと思っています。当たり前のことですけども、例えば、箸が落ちたら声がかかる前に箸をお持ちする、といったことですね。親しみやすさの中に、気遣いや気配りを忘れないようにしたいものです。

お客様がお帰りの際は、必ずスタッフが見送りをさせていただいています。料理の味が大切なのはもちろんですけども、最後に感謝の言葉を伝え、気持ちよくお帰りいただければと思っています。

地域の皆さんへメッセージ

姉妹店である『胡楼亭』があざみ野にあります。『胡楼亭』は麺料理がメインです。麺類をぱっぱとお腹に入れたい場合には使い勝手がいいとも思いますし、場面場面に応じて、楽しんでいただけたらと思います。

お客様が喜んでお帰りいただければ、それが一番です。何も中華でなくとも構いません。和食であれ、洋食であれ、食を通じて家族での楽しむ、ホッとする時間を作っていただきたいですね。

 

※上記記事は2021年5月に取材したものです。時間の経過による情報の変化などがございます事をご了承ください。

四川料理 SHUN 新妻 俊二 オーナーシェフ

四川料理 SHUN新妻 俊二 オーナーシェフ SHUNJI NIIZUMA

四川料理 SHUN 新妻 俊二 オーナーシェフ SHUNJI NIIZUMA

  • 出身地: 神奈川県
  • 趣味: クルマ
  • 好きな作家: 早見和真
  • 好きな映画: 星の王子ニューヨークへ行く2
  • 座右の銘: 因果応報
  • 好きなアーティスト: 久保田利伸、ORIGINAL LOVE
  • 好きな観光地: 高知、四川(中国)

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