THE SHOW room 渡部 将 代表/アーティスト SHO WATANABE
日本と海外を行き来しながらデザインに関わる仕事の経験を積み、独立。
2013年、「THE SHOW room」をオープン。
日本と海外を行き来しながらデザインに関わる仕事の経験を積み、独立。
2013年、「THE SHOW room」をオープン。
ここは、分かりやすく言えば、私が立ち上げて23年目になるアパレルブランド“Cloveru (クローバル)”の本店のような場所ですね。ただ商品を売っているだけではなく、絵を描くなどの制作活動をするアトリエも兼ねています。そのときどきの必要性に応じて、ギャラリーになったり、撮影スタジオになったり、商談や出荷作業をする事務所にもなったり。自分が好きな世界観を等身大で表現した店舗であり、職場です。ちなみに「THE SHOW room」という店名には、私の名前「将(=SHO WATANABE)」も入ってるんですよ。グローバルな環境を見据えているので、海外の方が見ても伝わりやすい屋号にしています。
取扱う商品は、自社ブランドの洋服がメインです。あとは、その服とコーディネートできるようなアイテムもセレクトして置かせていただいています。自身が好んでいる、輸入物のビンテージの古着なんかもあります。
“メイドインUSA”に憧れがあった世代。本物を見てみたかったし、サーフィンもしたかった。それ以来、日本と海外を行ったり来たりの生活です。アメリカでクリエイティブの仕事をしながら日本にはないカルチャーに触れて衝撃を受け、日本ではデザイン事務所や広告代理店に所属して、サラリーマンだった時期もあります。そうした経験を積んだあと、自分が納得するモノづくりをするために独立しました。
この店舗兼アトリエを開設したのは2013年の夏。海外では、デザイナーやアーティストがそれぞれの地元に工房(アトリエ)を構えていて、バイヤーやファンはそこをはるばる訪ねて商品を探します。そういうお店を、私も自分の地元である青葉区につくった感じです。アパレルなど東京中心の価値観が多いですが、そこから外れたところでひっそりと、海外のスタイルで“知る人ぞ知る”という形でやっています。
肩書はいろいろとありますが、基本的にはアーティストであり、デザイナーでしょうか。作品を制作して個展をひらいたり。その一方で、デザイン事務所でもあるので、デザインに関わる仕事も幅広く手掛けています。
このお店が入っている建物は自分と同い年。かなり古い建物ですが、内装のリノベーションも一つひとつ、細かいところまで拘って、自分と支えてくれる仲間や友人と創りました。
デザインというのは、たとえば大手の企業だと、どうしてもジャンルごとに細分化されてしまいます。ですが、ライフデザインとも言うように、私はトータルにデザインしてこそ、表現の豊かさにつながると思っています。洋服も内装も、あるいはアナログもデジタルも、すべてひっくるめてデザインできることはすごく大事だし、クライアントさんに喜んでもらえる仕事につながっていくと思います。「あいつのところに相談すれば、何かいいアイディアをもらえるだろう」「あいつならできるんじゃないか」。そんなふうにクライアントさんから思ってもらえるような、 “町のお医者さん”みたいな存在として続けていけたらいいですよね。
あまり偉そうなことは言えませんが、青葉区を拠点にして活動することが地域の活性化にもつながるのかなと思っています。
ここですごくおしゃれなものが手に入るとなれば、若い子たちがわざわざ東京に出て行く必要はなくなりますよね。逆に、作品の展示会をひらく時は各地から人が集まったり、来店するために遠くから足を運んでくれる方々もいらっしゃいます。そうやって来てくださることがこの町を知るきっかけにも繋がると思います。中には、町が気に入って引っ越してきたというお客さんまでいらっしゃいました。
この店の両隣は昔ながらの美容室や飲食店。うちに海外からお客さんが来たときなどは食べに行ったりもするし、お隣のサロンを利用した奥さまが帰り際にうちを覗いてTシャツを買って行ってくれたりもします。すごくほっこりしますし、昭和っぽくて暖かいなと感じますね。
いまはコロナ禍と言うこともありEC(ネット通販)が多くなりましたが、実際に制作しているプロセスを見ていただいたり、素材など一つひとつの拘りを対話しながら伝えたり、そうすることで商品に深みが出るし、愛着も深まる。この“自身のスキが詰まった空間”がコミュニケーションスペースの役割も担いながら、地域の魅力を多くの人に広げていく場になるといいなと思っています。
常識にとらわれず自由な発想でやっていますので、手前味噌ですが、ここに来るとおもしろいモノやコトが見つかると思います。制作の場でもあるので、いっきに人が押し寄せてしまうのも困りものなんですが、「あの店って何なんだろう」と思っている方、ご興味のある方はぜひ遊びに来ていただければうれしいです。
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