鮨 佐藤 佐藤 司 店主 TSUKASA SATOH
20歳の頃、青森八戸より上京。高級鮨店に住み込みで働き始める。約6年間の修行の後、複数の飲食店勤務を経て、独立開業。2009年に『鮨 佐藤』を、2015年に『天ぷら 佐藤』をオープン。
20歳の頃、青森八戸より上京。高級鮨店に住み込みで働き始める。約6年間の修行の後、複数の飲食店勤務を経て、独立開業。2009年に『鮨 佐藤』を、2015年に『天ぷら 佐藤』をオープン。
私の実家は、青森の八戸で鮨屋を営んでいたんです。幼い頃から店の中で遊びまわったり、常連さんに可愛がってもらったり。そういう環境で育ってきましたから、何の違和感もなく飲食の世界を志すようになりました。
実は、高校を出たあとに少しだけ飲食とは違う仕事を考えていたのですが、性に合わなくて。飲食のほうが楽しいなと思ったし、仕事をやっていくうえで、いつかトップに立ちたい、自分の店を持ちたい、という気持ちもありました。そうした思いから飲食の道に進むことを決め、20歳のとき、上京して修業を積むことになりました。
上野の高級鮨店で、住み込みで働かせてもらいました。最初は実家を継ぐつもりだったんですけど、3カ月も経つ頃には、地元に帰る気がなくなってしまいましたね。東京がそれだけ魅力的だったんです。田舎は新鮮な魚が手に入るけど、種類が少ない。その点、東京には全国から膨大な種類の魚が集まってきます。修行先のお店ではいろいろなことを学びながら、経営者をはじめとする素晴らしいお客さんたちの話も聞ける。「絶対に帰るべきじゃない。こっちで勝負したい」と思うようになりました。
上野のお店に6年ほどお世話になったあと、鮨以外についても腕を磨くため、いくつかの料理屋さんで働きました。その一つ、たまプラーザにある飲食店に勤めていたときに知り合ったお客さんが、今『鮨 佐藤』があるこの店舗で商売をされていた方でした。そろそろ引退を考えていらして「やってみない?」と私に声をかけてくださったんです。私としても、独立するにはちょうどいい頃合いだと思い、この店舗に入らせていただきました。
念願だった自分のお店をオープンさせたのは2009年、32歳の頃でした。
店を持つうえで大切にしているのは“プラス・アルファ”の部分。やっぱり飲食店ですから、おいしいものを提供すること、そのために精いっぱい努力することは当然というか、最低限だと思います。それを前提としたうえで、どうすればお客さんの居心地が良くなるか、幸せな気持ちになってもらえるかを考えることが大事。「今日もおいしかったよ」「楽しかったよ」って笑顔で帰ってもらいたいですからね。
そのために具体的に何をしているかというと、私はすごく気を使います。このお店は、ちょうど自分の目が行き届くサイズなんですよ。グラスが空いたままの状態でお客さんを待たせないだとか、お客さんがお声をかけて下さる前に対応するだとか。常に観察していますね。もちろん、お客さんの好みの食材や飲み物もしっかりと覚えるようにしています。
うちのおススメは、もちろん鮨ですね。天ぷらなどの一品料理もおいしいですよ。でも、ずっと鮨の修行を積んできましたから。特に握り、そのなかでもひと手間加えたネタ、たとえば穴子や小肌なんかをぜひ味わってもらいたいですね。
仕入れている魚は、高級店と比べても全然見劣りしていません。店を開くときに決めたことの一つが、「どんなに客入りが悪いときでも、必ず市場に行く」でした。それは今でも守り続けています。予約を入れてくださったお客さんの顔を思い浮かべて「これを出したら喜んでいただけるだろうな」と考えながら、魚と向き合うんです。
かといって、店の敷居は高くしたくありません。特別な日の食事ではなく、あくまで普段の生活の中で「ちょっとうまいものが食べたいな」というときに、気軽に来ていただける店でありたい。平均予算は7000~1万円ほどで、コスパはいいですよ。5000円でも十分ご満足いただけると思います。
2015年に、『天ぷら 佐藤』をオープンしました。そして、次はお肉の店を出したいと考えています。カウンターメインで、こちらで焼いてから提供するような形ですね。お客さんの紹介があって、いい精肉店さんからお肉を卸してもらえる話をいただいたんです。コロナが落ち着いてからになりますが、ぜひ実現させたいなと思っています。
場所はもちろん、ここ、たまプラーザの近辺です。この町のお客さんに助けられて、ここまでやってこれました。うまいものをお出しして、この町のお客さんたちに還元したい。それが私の仕事だと思っています。
『鮨 佐藤』、『天ぷら 佐藤』、それに続くお店にも、ぜひお気軽にご来店ください!
※上記記事は2021.6に取材したものです。
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