青木 祥一 代表(3rd your life style shopたまプラーザ店)のインタビュー

3rd your life style shopたまプラーザ店 青木 祥一 代表

3rd your life style shopたまプラーザ店 青木 祥一 代表 SHOICHI AOKI

アパレル業界で15年間、販売や店舗開拓、ブランドの立ち上げなどに携わる。その経験とともに家具店で更なる知識を身に付け、2006年に自身のお店「3rd your life style shop」を東戸塚にオープン。2011年には2号店となるたまプラーザ店がオープンし、現在は店舗の他に横浜市と北海道旭川市にそれぞれ工場を持つ。

アパレル業界での15年間の学びを家具店で

家具店をするまでは、15年間アパレル業界で働いていました。倉庫整理から始まって、販売や店舗開拓など様々な分野を経験し、最終的にはブランド事業を全国に何十店舗と立ち上げる仕事に携わっていました。一つのお店ができたら次、またその次へと転々としていたので、その頃からホテル住まいをするようになりました。

ホテルにいると借り物だけで生活できるので、自分のものが何もないんです。極端な話、その仕事をしていた約3年間の荷物は段ボール2箱分だけ(笑)。いつ帰っても部屋が綺麗なので、次第に居心地の良さを感じられなくなってしまいました。

アパレルの仕事を辞めて次は何をしようかなと迷っていた時期に、久しぶりにアパートを借りて自分のものを一から揃えることになりました。そのとき、自分の使う家具にすごく興味が湧いたんです。アパレルの店舗を立ち上げる仕事でも、お店の見せ方や空間デザインをやらせてもらっていて家具は仕事の一部だったので、その流れで家具店への転職を決めました。

初めはサイズオーダーのできる、いわゆる半既製品の家具店に2年間勤めていました。そこで一緒に働いていた従業員が独立するときに誘いを受けて、今度はフルオーダーのお店に入ることになりました。半既製品は既にある家具をお客様の欲しいサイズに変えるだけだったけれど、フルオーダーは先に資材を買わなければいけないし、加工して形にしてくれる人やデザインする人が必要になります。そういったことを勉強していく中で、今やれていることと自分がやっていきたいことの違いが明確になっていき、自分のお店を持つことになりました。

お客様の「ホーム」へ。思いを形にしてご提案する「サード」の役目

家具は既に出来上がっているものを選ぶという形が多いですが、人によって体型も住むところも違うのになぜ皆が同じものを使わないといけないのだろう。そう思ったのがオーダー家具を始めたきっかけでした。家具は道具であって、道具はあくまで人が使うものなんです。その中で使いやすいものやその人に合っているもの、家にピッタリ入るものをご提案できるのが、オーダー家具という形なんじゃないかと思いました。

ただ、当店はすべてオーダー家具というわけではなく、店内にも様々な家具が置いてあります。打ち合わせをしてお客様が欲しいものを引き出していった上で、ある程度形が決まっているものをご提案させていただく場合もあります。お客様の思いの丈を形にすることが大事なので、そのときに最善なプランをフィードバックするようにしています。

家具を作ることは、「想いを形にして工場で作ってお客様に届ける」という「売る人」「作る人」「使う人」の三角形から成り立っていると考えています。その中で誰が終着点なのかといったらお客様であって、いわゆる「ホーム」なんです。私たち「売る人」「作る人」はサードベースに位置していて、〝サードからホームへ″3者が一体となって作り上げていくというのがお店のコンセプトであり、『3rd your life style shop』の店名の由来にもなっています。

家具に対するお客様との温度差が無くせるようなご提案を

私たちは365日家具のことばかり考えていますが、お客様はもちろんそうではないですよね。だから私たちとは物に対しての温度差があると思うんです。ただ家具が必要なのはお客様なので、欲しいと思っているときにその温度差をなるべく無くせるようにお話ししながら、何が必要かを聞くように心がけています。

また、家具を届けるときにはお写真を撮らせてもらっていて、お店をオープンしてからの15年間で携わらせていただいたお客様の実例写真が何千万とあります。おそらく日本の家具店で一番なんじゃないかと思うくらいの量なんですが、そういったものを新しいお客様との打ち合わせの際に見ていただいたりして、欲しい家具のイメージにより近づけるようにしています。

「無垢材」の家具を作れる貴重な職人さんがいるお店

当店では無垢材を取り扱っていて、世界中でも銘木として人気のある「ウォールナット」「チェリー」「メープル」「ナラ」等をご提案していますが、ご要望が有れば「チーク」など、他の樹種の中から素材を選ぶことができます。また、8~9割のものが着色をしていないナチュラルな無垢材を使用しています。

単に無垢材の家具店という括りではなくオーダー家具店なので、無垢材しかやっていないということではありませんが、当店の職人は無垢の家具が作れるということで、多くの家具職人の中でも無垢材の性質を理解して商品制作出来るのは20%を切る程になるのでは?と思っています。そんな職人さんが作る家具なら何がいいかとご提案したときに、やはり無垢材を選ばれる方が多いです。

100年後も使い続けられるアンティークになれるように

家具の業界に来て思ったのは、今ご提案すべきは高耐久品だということです。アパレルは四半期ごとに新しいデザインを売っていくけれど、家具は一度購入すると何年もずっと使っていくもの。なので当店では高耐久というのを意識して作っていますし、アフターメンテナンスをとても大事にしています。

アンティークを好きな方は多いですが、大体は海外のものを使っていますよね。私にとってアンティークは、100年超えてもなお使い続けられる、品物自体が歴史を持っているものだと思っているんですが、日本にはまだそういう家具が多くありません。なぜなら日本は元々畳で生活する文化があって、椅子を使い始めてからもまだ一般的には70~100年前後。家具を使う歴史が海外よりも圧倒的に短いんです。

なので、私たちが今作っている家具がアンティークになってくれたらいいなと思っています。けれど高耐久は長い時間がかかるものなので、私たちの想いを継承して見届けてくれる人との出会いがあったら嬉しいですね。私たちが始めたことが、これからも長く続けられたらなと思います。

 

※上記記事は2021年8月に取材したものです。

時間の経過による変化があることをご了承ください。

3rd your life style shopたまプラーザ店 青木 祥一 代表

3rd your life style shopたまプラーザ店青木 祥一 代表 SHOICHI AOKI

3rd your life style shopたまプラーザ店 青木 祥一 代表 SHOICHI AOKI

  • 出身地: 神奈川県横浜市
  • 趣味: 体を動かすこと
  • 好きな作家: 池井戸 潤
  • 好きな映画: 洋画、ヒューマンドラマ
  • 好きな言葉: 夢に時を加えて目標とする
  • 好きな音楽: ジャンル問わず心地の良い曲
  • 好きな場所: 海の中

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