小越 満利子 先生(こごえ学習教室)のインタビュー

こごえ学習教室 小越 満利子 先生

こごえ学習教室 小越 満利子 先生 MARIKO KOGOE

三重県津市出身。お茶の水女子大学文教育学部卒業後、日本ユニシス(現BIPROGY)に入社。出産を機に退社し、夫の海外赴任に伴い渡米。アメリカミネソタ州立大言語学大学院に入学。1999年よりECCホームティーチャーとして自宅にて国語、算数、英語を教える。その後、2014年にたまプラーザのまちなかbizにて私立中学生を対象にした数学専門塾「こごえ学習教室」をオープン。2016年に私立小学生の算数専門コースを開設。

数学に困っている、私立中学校の子どもたちのために

1999年から自宅で地域の子どもたちに国語、算数、英語を教えていました。ある時、友人から相談があって、「子どもが数学で20点を採ってしまった」と言うんです。小学校では算数の成績が良かったのに、私立の中学に入った途端に成績がどんどん下降線を辿っていってしまったそうで。そこで私の教室にきてもらい、中学の最初に戻ってもう一回基礎からやり直しました。すると次のテストでは40点、その次は80点、最後はクラストップにまで上がりました。

この経験から、実は私立に通う子どもの中には、数学に困っている子が多いのでは、と感じました。私立のお子さんは小学校の時にしっかりと勉強をしているので、素地ができている子が多いんです。だから基礎の部分にしっかりと手を入れてあげることで、必ず伸びていきます。

青葉区は私立中学校を受験する子がとても多い地域。それならば数学に困っている子どもたちのお手伝いをしてあげたいと思い、2014年から場所を変えて「私立中学生のための数学専門塾」をスタートしました。(現在は私立小学生の算数コースも併設)

大切なのは、その子の「つまづき」を探すこと

小学校で習った算数と中学から始まる数学は、アプローチが全く違います。頭の筋肉の使い方が全然違うんです。中学受験に向けて一生懸命勉強してきた子の中には、算数と数学のギャップにつまづいてしまうケースがよく見られます。頭がうまく切り替えられないんです。

先ほどお話しした友人の子のような場合は、まず最初に今までのテストを全部持ってきてもらいます。それを見ただけで、どこにつまづいてしまったかが分かります。中学受験した子は方程式でつまづく子が多く、次に一次関数。これまでやってきた算数にはない概念だから何が何だか分からなくなって、頭がパニックを起こします。だからまずやらなくてはいけないことは、その子がどこでつまづいたかを明らかにすることです。そしてつまづいた場所まで戻って、基礎から丁寧に教えてあげることが一番大切なんです。

教材も進め方も、みんな違う!

文科省に従って全国一斉に同じように進める公立の学校と違って、私立はそれぞれの学校で使っている教材も進め方も違います。中には、中1の時に中2まで進めてしまうような学校もあるくらい進度も違います。だから私立の子は、個人塾の方が向いていると私は思っています。

こごえ学習教室でも一人ひとり違う進め方で教えていて、使っている教材も全員バラバラです。みんな違うので、集団で教えることは一つもありません。その子が中2でも、中1からやり直した方がいいと思えば中1の勉強をします。勉強が進んでいて、小6なのに中2の勉強をしている子もいます。同じ空間で学んでいるけど、一人ひとりに対しては家庭教師に近いのかもしれません。このお話をすると、「大変ですね」と言う方もいますが、私としては本当に楽しくて仕方がない。子どもの点数が伸びて「先生見て」とテストを持ってきた時の笑顔を見ると、本当に嬉しくなります。

第三の居場所となることを使命に

私は120%の価値を提供したいと思っています。勉強を教えて、成績を上げて100%。残り20%は何かというと、一人ひとりの子どもに寄り添うこと。そして保護者の方にも寄り添うこと。これが個人塾だから提供できる価値だと思っています。

そして、ここは子どもたちの居場所でもあります。家庭が第一で学校が第二だとしたら、こごえ学習教室は第三の居場所。子どもたちが成長していく中で、どうしても家庭や学校で話せないことも出てくるはずです。そんな時でも私になら話せるように、アットホームな雰囲気にして、私自身も人格を磨く努力をしています。これが私の使命だと思っています。

問題を抱える子も毎年たくさん見ています。学校には行けないけれど、ここには来てもらえる。そんな子が自分の道を見つけて巣立っていく姿をたくさん見届けました。これが一番の喜びです。私は、子どもが不登校などの問題を抱えること自体は悪いことだと思っていません。家に引きこもってしまうことも、自分でちゃんとSOSサインを出せている証拠ですから。どんな子でも、いつからでも必ずやり直せる。新たな挑戦ができる時がやってきます。そんな話を保護者の方にもしています。

勉強は、自分と周りを幸せにする

将来、自分が幸せになって、さらに人を幸せにするためには力が必要です。それは学力だけではなく、考える力や頭を整理する力など様々な「生きる力」のことです。その力は勉強をすることで身につけることができ、いずれ社会や人の役に立ち自分自身の幸福にもつながります。だから今、勉強しておくことが大切なんです。そんなこと言っても子どもにはなかなか分かってもらえないんですけど(笑)。私が子どもたちによく話すのが、勉強は騙されないためにするんだよ、ということ。例えば知らない人から何かが届いても、そこに書いてあることが「読めない、意味が分からない」では、騙されてしまうかもしれません。今は色々と手口が巧妙ですから。そんな話をすると子どもたちは「ふうん」と納得します。

保護者の方にお伝えしたいのは、子どもの人生を尊重して、少し離れて見ることも時には必要ということです。子どもの成績が、親の成績のように感じてしまっている方もいらっしゃって、それこそ悲劇の始まり。私自身も自分の子どもには「なんでこんなこともできないの!?」と何度も言っていたので、お気持ちはよく分かります。生徒にはそんなこと一度も言ったことないのに(笑)。
子どもって親から独立したくなる時期が必ずやって来ます。子どもは子どもの人生、親は親の人生として少し距離を取って、第三者のような目で見ることも大切だと思います。大事なことは子どもを一個の人格として尊重すること。親も頑張らなきゃ!!ですね。

 

※上記記事は2022年8月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

こごえ学習教室 小越 満利子 先生

こごえ学習教室小越 満利子 先生 MARIKO KOGOE

こごえ学習教室 小越 満利子 先生 MARIKO KOGOE

  • 出身地: 三重県
  • 趣味: 温泉めぐり
  • 好きな本: 推理小説
  • 好きな映画: トップガン マーヴェリック
  • 好きな言葉: 教育は子どもの幸せのためにある
  • 好きな音楽: アメリカのポップ
  • 好きな場所: 星野リゾート「界」

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