横浜青葉脳神経外科クリニック 古市 晋 院長 SUSUMU FURUICHI
大学卒業後、脳外科を専門に研鑽を積む。大学病院や関連病院で経験を重ね、横浜市青葉区に開業。
大学卒業後、脳外科を専門に研鑽を積む。大学病院や関連病院で経験を重ね、横浜市青葉区に開業。
きっかけは高校生の時に読んだブラックジャック。彼は金持ちからはお金をふんだくって貧乏人からは一銭もとらない。「なんて格好いいんだろう」って思って。すごく単純な理由です(笑)。ブラックジャックを読んで「一番大変なのは脳外科医だろう」と勝手に推測してこの道を選びました。私の場合、医者になる=脳外科医になることでしたから、途中、迷うようなこともありませんでした。ぶれることなくここまで来れたのは幸せだったんじゃないかと思いますね。
富山医科薬科大学(現:国立大学法人 富山大学)を卒業して各地の関連病院を廻り、15、6年前に横浜にまいりました。
『横浜青葉脳神経外科クリニック』は2007年5月24日に開院しました。脳外科の先輩に仙台の青葉区で開業している方がいらして、その方のクリニックの名前があおば脳神経外科。その名前にあやかりたいと思って青葉区に開業地を定めたんです。またまた単純なんですけど(苦笑)、だからどうしても青葉区である必要があったんです。これが都筑区だったら困るでしょ(笑)。
脳卒中予防に症状的な頭痛、それから物忘れ。この3つの疾患を中心に診ています。頭痛を引き起こす要因には様々なものが考えられます。脳梗塞など実際に脳に問題がある場合や、そうではなくうつ病等の精神疾患が要因となっている場合もありますし、整形的な首の問題が頭痛を引き起こしていることもあります。
その背景は人によって異なりますから、それを問診で詳しく伺って引き出していくのが私たちの仕事です。加えて最終的な判断にはMRIを用います。完璧な問診をおこなったとしても、万が一の見落としがあると取り返しのつかないことになる可能性が出てきますので、MRI検査をおこなう必要が出てくるんです。
診察を通し、疾患の識別・判断をしていくことになりますが、残念ながらその診察をスルーして放置されている病気というものが存在します。
その1つが物忘れです。皆さん、年を取ればある程度はしょうがないよと思ってらっしゃるのではないでしょうか。もちろんアルツハイマー等、手の下しようがない疾患が物忘れの原因となっているケースが大半ですが、なかには手術によって改善の出来る物忘れがあるんです。
そのひとつが水頭症という疾患です。水頭症は簡単に申しますと頭の中に水がたまってしまう病気なのですが、この水が脳を圧迫し認知症という症状を引き起こすんです。繰り返しになりますが、この水頭症は手術によって治すことが出来るんですね。
しっかり識別が出来、対処をおこなえば回復するのに、それがなんだかわからない状態のまま放置されているのは実に気の毒なことだと思っています。このクリニックでの診療が多くの方の希望となることになれば嬉しく思います。
私は脳外科医として人の生死に関わる場面をそれこそ何百例と見てきました。外科医としては手術をおこなって患者さんを治していくことが仕事なわけですが、ご家族との関わりも考えるとそれだけでは済まされないんです。ご家族の気持ちを斟酌し、そのケアをすることも我々に求められることになってきます。私は単に病気を診るだけという意識ではおりません。無論、脳卒中や頭痛の専門家として、「なにか予兆がないかどうか」「将来、深刻な病気につながる可能性はあるのかないのか」それを診ていくのが私の仕事になりますが、問題がなければそれで「おしまい」ということではないのです。
全ての患者さんは悩みを抱えておられるのですから、その悩みを解消して差し上げなければなりません。全てを解決するのは難しいとしても、これまでに培ってきた経験をアドバイスとして還元していければと考えています。
頭痛の起こる頻度やその程度にもよりますが、市販の頭痛薬である程度コントロールが出来るような状態であればそれほど心配なさらずともよいと思います。もちろん、検査を受けていただくに越したことはありませんが。お薬を服用しても効かない。もしくはお薬の使い過ぎによって今度は別の頭痛を引き起こしてしまう状態、いわゆる薬物乱用頭痛の状態であれば専門機関での検査を受けていただく必要があります。原因を特定していくことで、よりポジティブな痛みへの対処が可能となります。
いずれにせよ不安を感じたならば1人で抱え込む必要はありません。心配な方は一度、検査を受けられたほうが良いと思いますね。
クリニックを開院するにあたっては「病院らしくない病院」をイメージしました。院内には患者さんの作品を含め、絵画や美術工芸品、様々な本を置いています。待ち時間の合間にそれらを眺めてもらいながら少しでも寛いだ時間をお過ごしいただければと思います。「脳外科なんて怖い・・・」というイメージをお持ちの方は多いと思われますが、決してそんなことはありません。ちょっとしたことでも構いませんので、気になることあればお気軽に相談に来ていただければと思います。
※上記記事は2012.2に取材したものです。
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