池田医院 池田 威 院長 & 美彩子 医師 TSUYOSHI IKEDA & MISAKO
大学卒業後、放射線診断を中心に研鑽を積む。肝臓がんの治療や呼吸器内科を経験し、横浜市青葉区に開業。
大学卒業後、放射線診断を中心に研鑽を積む。肝臓がんの治療や呼吸器内科を経験し、横浜市青葉区に開業。
【池田 威 院長】私の家は、おじいさんの代からお医者さんの家系なんですよ。おじいさんは樺太でずっと開業医をしてまして、そのあとを受けた父も北海道で開業をして、私はその時に生まれた子供なのです。父は北海道から埼玉に移り住み、そこで開業医をしていたのですけども、すでに亡くなり、今は私の姉がその跡を継いでいます。4人兄妹なんですけども、皆が医療系に進みました。それが自然な流れだったというか、私自身、抵抗なくこの道を進むに至ったという風に思っています。
大学病院に籍を置いた私は、放射線診断の専門家としての道を歩み、主に肝臓がんの治療に携わりました。インターベンショナル・ラジオロジー(IVR)といい、血管内を画像で確認しながらカテーテルを用いる治療方法です。その流れを汲む形で、呼吸器内科の分野においても研鑽を積みました。
今から28年ほど前のことになりますか、勤務医としてこの地に至り、開業の場所を得ました。1995年に『池田医院』を開院し、以来、25年に渡り診療を続けてきたということになります。
私には子供が3人おりまして、皆が医師の道に進みました。長女は呼吸器内科に進み、今年から当院の診療を手伝ってくれています。長男は消化器内科に進み、次男は呼吸器内科に進みました。この診療所を子供の世代で続けて行ってくれると嬉しいです。3人とも広く深い知識を身に付けた新しい世代の医療人になってほしいと思っています。
【池田 美彩子 医師】
医師を目指したきっかけは父の影響が大きいと思います。物心ついた頃からこの医院の2階に住んでいましたから、学校から帰ると父が働いている姿を見ながら2階へ上がっていく事が日常でした。また、風邪や怪我で弱気になった時、的確に痛いところを言い当てて説明してもらうと安心し、医師とはそういうものだと思っていました。自然と気付いたら自分もこの職業を選んでいたように思います。小学生の頃はこの近所でよく遊んでいたので危ない事をして注意して助けてもらったり、いたずらで怒られたこともあり、ここに来る患者さんにもある意味見守られながら成長していたようにも思います。
大学卒業後は横浜市立大学の呼吸器内科に入局し、一般的な風邪や喘息・COPDなどの慢性疾患から特殊な感染症、重症肺炎、間質性肺炎や悪性腫瘍までと、振れ幅の大きな領域で年齢層も様々な患者さんと接して経験を積んできました。大学病院の医療は専門性が高く、複雑な合併症で悩ましい方を診る機会が多く、治験や気管支鏡での喘息治療なども一通り経験出来たため非常に勉強になりました。上司や同僚にも恵まれ、大学病院での診療を通して医師としての土台を築かせて頂いたと思います。
私はこの春より、新百合ヶ丘総合病院の消化器内科に籍を移し、引き続き定期的に大学の呼吸器内科でも検査に関わる予定です。専門性にとらわれず、色々な病気を診て地域の人に安心感を与えられる医師を目指して精進を続けてまいります。
当院でも週に1回のペースで診療をするので、私がお世話になったこの地域の方々に少しでも恩返しが出来ればいいなと思っています。
【池田 威 院長】一昔前に比べれば、いわゆる悪性疾患が見つかる方が増えているように感じます。それから、増えているということであればやはり、メタボリックシンドロームに関連する疾患ということになるでしょうか。糖尿病やコレステロールによる疾患は年を追うごとに増えてきています。30代で心筋梗塞を起こしたという方もおられましたし、その意味では、成人病の若年化ということが言えるかもしれません。
25年前を振り返ってみますと、当時は診療所も限られていましたから、それこそ何でも診ていたものです。今でこそ少なくなりましたけども、“切った・縫った”というのも当時は珍しくありませんでした。ただ逆に言えば、それこそが開業医に求められる姿勢なのかもしれません。
時代の風潮なのでしょうか、つい最近まで、専門性が問われるあまり、「専門以外は診れません」という先生が珍しくありませんでした。厳しい言い方になりますが、開業医がそれでは困りますよね。
私は放射線診断をしていたものですから、幸いにして様々な疾患を診れる立場にありました。脳外科の分野から整形外科に至るまで、画像診断という形で関わっていたわけです。その経験があったからこそ、より専門性の高い治療が必要か否かという見極めについて、一日の長があったと言えるでしょう。私は、開業医は専門性を打ち出すよりも、広く、そして出来る限り深く病気を知る必要があると考えています。このごろになり、総合診療科の必要性が問われるようになってきました。その傾向自体は、非常に好ましいことではないでしょうか。
【池田 威 院長】話を聞くこと、が大切です。患者さんの話を聞かないことには診察は始まりません。何が悪くて、何をしてもらいたくていらしたのか。その訴えをしっかりと聞き届けるということが最も大事なことと考えています。
それに加え、せっかくいらしたのに、その方の抱える悩みや疑問を解決することなくお帰しすることは避けたいと思っています。不定愁訴で、「なんとなくだるい…」というものがあります。「年齢のせいかもしれませんね…」とお帰しすることは出来るのでしょうけども、それをやってしまうと病気を見逃すことにつながってしまうと思うのです。
大学病院に在籍していた時のことですが、「ここで診断がつかなければ、患者さんはもう頼るところはなくなる」ということを、当時の教授によく言われていました。出来る限り診断をつけるように努める。それがもし難しいならば、しかるべき病院で診察を受けれるよう道をつけてあげる。そのことは肝に銘じて、診療を続けていきたいと考えています。
【池田 美彩子 医師】
私もきちんと話を聞けるお医者さんでありたいと思いますね。お話の中には主訴とは直接関係のないものであっても、隠れていた病気の兆候が見えることもあります。そしてなにより、お話を正面から受け止めることで、少しでも安心感を与えられる存在でありたいのです。
昔から父は、「開業医は何でも屋さんだから」と口にしていました(笑)。自らの専門性も生かしつつ、何でも診ることのできる、父のような「何でも屋さん」に少しでも近づいていきたいですね。
【池田 威 院長】血液検査に尿検査、レントゲンに呼吸器のスパイロメーター。それからホルダー心電図にエコー検査、各種内視鏡と、おおよその検査の体制を整えています。
私は画像診断を得手としてきましたが、エコー検査によってこれまで多くの悪性腫瘍を見つけてきました。こちらの患者さんにも、すい臓がんが比較的早期に見つかり、今も元気に過ごされている方が幾人かいらっしゃいます。
内視鏡検査については1日に1件から3件の検査をとりおこなっていますが、この検査でも年間数人の早期がんの方が見つかっています。50歳という年齢を区切りに、胃や大腸の検査を1年に1回くらいの頻度ではじめられたほうが宜しいかと思います。病気の頻度を考えますと、その年齢よりお若い方が躊躇されるのは仕方のないことかもしれません。しかし、50を越えますと色々な病気が出始めますから、成人病健診やがん検診を始められることをお勧めします。
【池田 威 院長】開業から25年が経ち、ご高齢の患者さんも次第に増え、通院が困難な方が目立って増えてきました。そのため、当院では送迎車を用意させていただいています。通いづらくなってタクシーを呼ばれたり、お家の人に仕事を休んでもらって、という方も少なくありません。地域の医師として、できる限り最後まで責任を持って診させていただきたいと思って送迎者を始めました。ご入用の方は遠慮なく送迎車をご利用ください。
かかりつけ医として、大きな病院に赴く前にアドバイスできる医師になれるように日々努力をしています。専門医である必要はないと思います。専門医よりも、広く深く診れる医師になりたいです。健康を見守る存在として、かかりつけ医をお持ちになっていただきたいですね。
※上記記事は2020.2に取材したものです。
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